校長室から

学校評価(期末)の保護者意見を拝見して・・②(校長室から)

2020年12月10日 11時04分
保護者向けの話

3 補充・発展学習について
 このことについても、今年度新たに日課表の中に位置付けた取組であり、まだまだ改善の余地があるものだと感じています。

「補充学習は事前に何をするか通知してもらえるので子どもと何を受けるか若しくは受けないか、話し合う時間を持てて良い」「補充発展学習が、1学期よりも子どものやる気を尊重する内容に改善されており安心した」「学校行事も充実していて補充発展学習は助かる」などの肯定的な意見がある一方、「補充発展学習とは何なのか、誰のためなのか、難しいなと思う」「補充発展学習についてはもう一つ目的がつかみきれていません。始まったばかりなので仕方ないかもしれませんが、より充実した内容になればと親子とも期待している。」などの意見もいただいています。

 元気な笑顔で登校し、すっきりした笑顔で下校してほしい・・これが私の単純な願いです。45分の授業時間だけでしっかりと理解できて大満足ならば、このような時間は必要ないのかもしれません。しかし、中には、45分だけでは理解しきれないからもうちょっと先生と勉強したいという子もいるかもしれませんし、逆に授業中に新たな疑問点がわいてきたからもうちょっと調べてみたいと思うような子もいるでしょう。補充発展学習とは、そういった子どもたちを対象にした時間であり、教師は「支援者」の役割で子どもとかかわります。あくまで希望者を対象としていますので、授業としてカウントはしませんし、通知表など成績にも反映するものではありません。

 このことが、全職員で共通理解して進めていることですが、では具体的にどのような内容を行うのかといったことは、学級担任が子どもたちと話し合い、子どもの実態を見ながら進めていきますので、保護者の皆様の中で「こんな活動も取り入れてはどうか」というアイディアがありましたらお気軽に学級担任に声をかけてみてください。


4 その他の御意見や提案について
 今回、前向きな御意見や御提案もたくさんいただきました。保護者の皆様が、今後の向笠小の発展に期待していただいていることがこのことからもよく分かります。一部を紹介します。

 「何かと車で送迎してくださいが多すぎる。雨の中、傘をさして歩くのも大事な経験、濡れないようにするためにはどうしたら良いかを考えるのも生きていくうえで大切な経験ではないか」との意見をいただきました。私たちも、今年度の学校教育目標に「最後までやり遂げる子」を加え、粘り強さや逞しさを育てたいと考えておりますので、この方の思いは大変よく分かるし、その通りだと思います。

 しかしながら、今年はゲリラ豪雨のような強雨や、梅雨時期に1週間以上続く長雨がありました。通学路の一部に土砂災害警戒区域を抱えている本校としては、子どもの登下校がとても心配になりました。そのため、PTA地域生活部の役員さんとも相談させていただきました。

 来年度以降も同じような状況は起こるでしょう。学校だけで判断しかねることがあれば、今後ともPTA役員さんを窓口に相談をかけさせていただきたいと考えています。

 その他の御提案として、「大勢が集まる行事についてオンラインを活用してみては」「奉仕作業が可能な時期が再来したら、保護者・児童に特別教室等を清掃してもらっては」「持久走記録会での低学年・中学年・高学年と行っているが、記録の順位を学年別にした方が良いのでは」「体育祭でのファミリー対抗、学年別とメリハリをつけた方が良い」「小中一貫校の開校に向けて中学生を交えた小1から中3のファミリー活動にチャレンジしてはどうか」など、なるほどと思えるアイディアもいただきました。ぜひ、学校としても前向きに検討してみたいと思っています。


5 おわりに
 「学校での進め方に満足している」という、ある保護者の言葉を見て、背中を押していただいたような、心強い思いになりました。私たちは、向笠小の保護者を信頼し、いろいろなことを相談させていただいていますし、保護者からも満足感、信頼感を得られる学校経営を行っていきたいと考えています。

 「これからも豊かな心を持ち、活力に満ちた子どもに成長してほしい」との言葉を書いてくださった方もいました。子どもには、無限の可能性が広がっていますし、何かのきっかけで大きな成長を見せることもよくあります。これからも、子どもたち一人ひとりの成長のきっかけに立ち会えるよう、学びの環境を整えていきたいと強く感じています。

学校評価(期末)の保護者意見を拝見して・・①(校長室から)

2020年12月10日 10時48分
保護者向けの話

 先日、ホームページにおいて、学校評価(期末)各項目における肯定値の推移をお知らせしました。本評価には保護者の皆様に文章記述していただける欄も設けてあります。
 実に多くの方から様々な御意見をいただきましたので、今回はその一部を紹介するとともに私なりの感想を綴ってみたいと思います。ただし、来年度どうするのかといった具体的な内容については、今後、全職員で協議を重ねて決定していくものでありますので、ご了承ください。

1 はじめに
 書いていただいたアンケート用紙をすべて拝見させていただきました。
 「安全な学校生活ができていることにありがとうございます」「コロナで例年と違うことの多い中、できるだけいつも通りの学校生活を送れるようにご配慮いただいた」「創意工夫をもって充実した生活を送らせていただいていることをありがたく思う」「いろいろ工夫を凝らし学校行事を行う方向で考えてくださったことに心から感謝」など、「感謝しています」「ありがとうございます」といった温かな言葉を予想以上にたくさん書いていただいたことに嬉しさと安堵感を覚えました。

 いつも以上に職員との対話を重ね、私自身も「この判断で本当に正しかったのか」と自問自答しながら手探り状態の毎日の2学期でしたので、前述の言葉が何よりホッとします。


2 ファミリー活動について
 「今年度は、学校のグランドデザインにもあるように、特にファミリー活動が印象強い」との言葉を書いていただいた方もいますが、実に多くの方が異学年交流、ファミリー活動についてコメントを寄せていただいています。

 週3回の15分間のファミリータイムを始め、学校行事に異学年交流の要素を取り入れた活動等を総称して「ファミリー活動」と呼んでいます。

 「向笠小の小規模という特徴を生かしたとても良い活動だと思うので今後も続けてほしい」「異学年交流は向笠小(小規模校)ならではで、すごく強みであるなと思う」「ファミリーグループを4つにしたので1つの人数が増え、より活動しやすくなっているように感じる」「学校行事やファミリー活動がとても充実している。学年関係なく、仲良く遊べるのはとても良い」「学校行事やファミリー活動を通して、異学年との交流もでき、小規模校の強みを生かした教育をしていただいていると思う。子どもにもいい刺激になっている。」「一クラスの人数が少ないため、異学年交流はとても良いと思う。どんどん活動していただきたい」など、多くの方が肯定的な受け止めをしていただいていることが分かります。

 中には、「上級生と普段関わらなくても下校で一緒になれば遊んで帰ってきたなど、上の子が下の子を見届けたりもしっかりできている」「小規模校で他学年との交流がたくさんあり仲が良いのが伝わる。向笠小の強みだと思う。」「異学年交流ができるファミリー活動は本人も楽しんでいる。向笠小の上級生は優しく面倒見が多い児童が多いのでありがたい。」など、子どもの姿として良い表れをとらえていただいた方もいます。私は、このファミリー活動を「低学年は高学年をロールモデルとしてあこがれを抱きながら成長し、高学年は低学年から認められ自己肯定感を高めるとともに、思いやりを学ぶ機会」ととらえており、具体的には、異学年の子ども同士が一緒に遊ぶだけでなく、低学年の子どもが自然に高学年の子どもに相談する姿まで期待しています。

「授業参観アンケート」を拝見させていただきました(校長室から)

2020年11月28日 09時32分
保護者向けの話

 今年度初めてとなる参観会・懇談会に多くの方に足を運んでいただき、嬉しく思っています。さらに「授業参観アンケート」には、多くの方から丁寧な感想も書いていただき励みになります。

1 授業改善は進んだか
 昨年度末の学校評価アンケートにおいて、「向笠小の目指している教育方針は、保護者にはあまり響いてこない。学力の差が生じることが心配。」「厳しさ(厳しい指導)も必要だと感じることがある」「子どもたちを引き付ける工夫のある授業を」「子どもの興味がわく授業をすればもっと勉強が楽しくなる」などの厳しいご意見をいただきました。

 今年度、私たちは、職員一丸となって「主体的に学んでいく力が付く」授業改善に取り組んできました。教師がしゃべりすぎないこと、子どもたちがじっくり考え、友達同士で話し合い、表現しあう時間をじっくり取ることから始めました。さらに、子どもたちが明確な目的をもって学習に取り組めるよう、授業の振り返りから次時のめあてをつくっていくような流れも意識するようにしました。

 今回の保護者の感想から、「自分で考え、グループで考え、発表して他の意見を聴いて学ぶという3段階の学びが定着につながる様子で良かった。」「意見交換がしやすい雰囲気で授業が行われていた」「グループ発表に対し子どもたちから積極的に質問が出ており、学習に意欲的な姿勢が見られて関心した。」「みんないろんな考えをして班の人と協力してまとめているところと意見を発表するときも友達の意見とつなげて話していたり大人っぽい話し方をしていて成長を感じた。」「基本を押さえつつ算数のいろいろな考え方を学ぶ時間もあり良かった。」「子どもたちが意欲的に自分の意見を発表できる雰囲気が整っていると感じ良かった。」「発表する人を生徒が決めるルールが良かった。ほとんどの子が発表していた。」「友達のよいところを探して発表したりできない子もあきらめず跳び箱を取り組んでいる姿が見られてよかった。」「低学年では集中できない子がいそうなものですが、この学年は全員が集中して授業に取り組んでいたのが素晴らしかった。」など肯定的なものが多く見られ安心しました。まだまだ道半ばではありますが、授業改善は少しずつ進んでいると評価していただいたと感じています。

2 今後の課題として
 保護者の感想の多くから、授業参観の機会を待ちわびていたといった思いさえ伝わってきます。そういった期待の表れか、「国語や算数だとどんな様子なのか気になるので(参観を)ご検討願います。」「もっと子どもたちの意見や発表を聴きたかった。」「討論形式の授業も行ってほしい。」などの御意見もいただきました。私たちも、いろいろな活動の様子を参観していただきたいと願っていますが、今年度の年間行事計画を見ると、2月20日の学習発表会と懇談会が、今年度最後の参観の機会となっています。コロナ禍の中で、前述のような保護者の期待に十分に応えられないことを残念にも感じています。

たくさんの「運動会の感想」に感謝です!(校長室から)

2020年11月10日 17時14分
保護者向けの話

1 はじめに
 コロナ禍における運動会の開催は、私たちにとって大きな試練だったようにも思えますが、その分、職員で協議する機会も多く、職員間のまとまりも強くなってきたように思います。そのような職員側の動きもきちんと見ていてくださったようで、「先生方のサポートと全体が一つにまとまった感じが良かった。」「先生方が運動会を通して子どもたちに良い学びと思い出をと全力でサポートしてくださっているのを感じた」と書いてくださった方もいて、嬉しく思います。
 それにしても、実に多くの保護者の方から、運動会を開催したことに対する感謝の言葉をいただきました。特段の入場制限をかけなかったこと、半日開催とは言いながら大きな規模縮小をしなかったことなど、どの学校でもできることではないと思っています。向笠小だから、この地域で実施する運動会だからこそできたことだと思っています。

2 運動会を実施することの大切さ
 私たちは、これまでホームページや学校だより等で、学校行事は単なるお楽しみイベントではないことをお伝えしてきました。運動会という学校行事を通じて、子どもたちは大きく成長すると信じて、努力を続けてきました。保護者の方々から、「毎日、運動会の競技や演技、準備の話題に事欠かず、どけだけ子どもたちが楽しみにしているのかがひしひしと伝わってきた」「子どもたちの必死な表情や助け合う行動を見て、開催できたことは将来必ず意味のあるものになると考える」「何より子どもが生き生きとダンスの練習をしたり、運動会を楽しみに過ごしている様子を見て、行事の大切さを実感した」などの言葉をいただきました。私たちの学校行事にかける思いは保護者の皆様に十分に通じていることが分かり嬉しく思いました。

3 運動会の時期や内容などについて
 多くの保護者から、この時期に運動会を実施できたことに良い評価をいただきました。気温も高くなく、子どもにとって動きやすかったことに加え、参観する側からしてもテントを張らずに見ることができたことが理由として挙げられます。さらに、「短い練習期間だったが、とても完成度が高かった」と書いていただいた方もいましたが、これまでの学習の成果を十分に発揮することができるということも秋に実施する利点と言えます。さらに、半日開催やその内容についても、概ね好評でした。

 とは言っても、少数ながら「来年は春の運動会に戻して」という声もありますし、「半日で終わってしまうのは少し物足りない」という声もあります。私たちは、年間を通じて、いつ、どのような行事を配置すれば、最も子どもたちが育つ環境になるのかを今後、慎重に協議していきます。

4 子ども主体の運動会に
 子どもたちの「やりたい」「挑戦したい」という思いが実現できるような運動会にしたいと考えてきました。これについても、多くの保護者から嬉しい意見をいただきました。一部紹介すると、「異学年でファミリーを組んで自分たちで作っていく運動会はとても意義のあるものだと思った」「生徒が主役と校長先生が言っていた通り、生徒たちが中心でできていた運動会だった」「宣言通り、先生が本当に黒子に徹していて、子どもたちが作り上げたんだなあと、見ていて分かりました。本当、楽しくてかわいくてワクワクして…すてきでした」「応援合戦やソーランの練習についてよく家で話していたので、子どもたちが主体的に取り組めているのかなと思った」「子どもたちが主体となって作り上げた感じがよく出ていたと思う」「司会進行から実況放送など、ほとんどすべてが子どもたちで行われていることに驚いた」などです。

5 今後の検討事項として…
 ファミリー対抗全員リレーや、低・中・高学年での徒競走については、「みんなでフォローしあう全員リレーはすばらしい企画」「全員リレーは皆のやる気が伝わってきてよかった。リレー=速い子だけの考えがほとんどだと思うので良い企画」などの賛成意見が多かった一方で、参観する側からすると「わが子がどこにいるのか分からなかった」「高学年と低学年が一緒に走るのは気の毒」などの意見もありました。

 さらに、撮影エリアが狭かったことや、駐車場が雨でぬかるんでいたことなど、ご迷惑をおかけした点もあったことを知り、本当に申し訳なかったなあと思っています。参観する側にとっても、さらに快適に、そして熱中できる環境を設定できるよう、今後検討していきます。

 最後に、「年々、終了後の片づけを手伝う方が増えています。」と書いていただいた方もいましたが、これについては私たちもありがたく感じているところです。半日参観して、お腹もすいているだろうに、多くの方が残って片づけをやってくださっている姿に、学校は皆さんに支えていただいていろいろな教育活動ができていることを強く感じました。本当にありがとうございました。

自身の考えや思いを筋道を立てて伝えられる子に(校長室から)

2020年11月10日 12時53分
保護者向けの話

1 新たに加えた「最後までやり遂げる子」
 どのような子どもになってほしいか(目指す子ども像)を端的に示している「学校教育目標」ですが、今年度、新たに入れた文言があります。それは、「最後までやり遂げる子」という言葉です。磐田市は「たくましい磐田人(いわたびと)」を育成することを標榜していますが、本校においても、じっくり取り組める環境を整えたうえで、子どもたち自身の「やりたい」を引き出し、そのことをやり遂げようというたくましい心を育てていきたいという強い思いの表れです。

2 「最後までやり遂げる逞しさ」とはどんな姿なのか
 では、「逞しい」とはどういう姿なのでしょうか。「難しいことがあっても逃げずに乗り越える」「多少、嫌なことがあっても我慢できる」こともその一つでしょう。しかし、私たちは「周りの人(同学年のみならず様々な年齢の人々)とのつながりやかかわりを深め、一緒に課題を解決しようという態度」も逞しさの一つと捉えています。

 ここまで読まれた方は、「他とのかかわり・・は協調性なのであって、逞しさとは関係ないのでは?」と思われた方もいるでしょう。私たちは、教師を始めとした大人たちの言うとおりに行動する子どもではなく、「やってみたい」「挑戦したい」という思いを子ども自身が持ち、そのことを実践できる人に育ってほしいと願っています。

 しかし、このことは子ども一人一人が好き勝手にやればよいなどと言っているのではないことは明白です。自分の「やってみたい」を学級やファミリーグループのみんなに説明して、みんなの賛同を得なければ次のステップには進めません。この「説明する」行為自体が大変で、賛同を得られないばかりか、反対されることもあるわけで、「反対されるぐらいなら、やめちゃおう」と簡単にあきらめるのは逞しいとは言えませんし、「なんで私の言うことを分かってくれないんだ」と怒り出すのも逞しいとは言えません。一つの課題に対して、みんなで冷静に議論しあい、折り合いを見つけ、一緒に解決しようとする姿に「逞しさ」を見出すのもこう言った理由からです。

3 自身の考えや思いを筋道を立てて伝えられる子に
 「キレる」若者がふえたと言われて久しいですが、最近の報道を見ると成熟した大人も「キレる」ようになってきて嘆かわしいばかりです。この「キレる」ことの一因として語彙力の不足が指摘されています。確かに、小さな子どもは語彙が乏しいことから、うまく自分の気持ちを言えなくなると、じだんだふんで泣きます。

 成熟した大人も「キレる」ということは、語彙力というのは大人になると自然に身につくものではなさそうです。子どもの頃から、自身の考えや思いを筋道を立てて伝えられるよう、訓練を積み重ねる必要がありそうです。

4 おわりに
 学校では、「自身の考えや思いを筋道を立てて伝えられる」訓練をどういう場面で行っているのでしょうか。これは、日頃の授業において、私たちが意識して行っていることです。一問一答式の授業だとこういう力は身につきません。「息のながい」発言ができるように促しています。ご家庭においても、「親子で話し合う」機会を通して、子どもが自身の思いをきちんと話せるようになるといいなあと思っています。

 先日の会礼で、子どもたちに、「大人になった」ことの一つに、自分の感情をうまくコントロールできるということを挙げましたが、キレたりせずに冷静に自分の考えを伝えられることも大人の条件といえるでしょう。

人と上手にかかわるには…(11月会礼 校長挨拶)

2020年11月6日 14時30分
子どもたちへのお話

 先日の運動会は、本当にすばらしかったです。私は、最初の挨拶の中で「仲間と協力して自分たちで作り上げる運動会に」とみんなに呼びかけました。一人ひとりの頑張りはもとより、仲間との協力が見られる場面が多くありました。

 これからの生活においても、いろいろな人と関わり、協力して何かを成し遂げることは多いと思いますので、今回の会礼では、人と上手にかかわるにはどうしたら良いのかをお話しようと思います。ただし、今からお話することは私が日頃気を付けていることですので、そういうつもりで聴いてくださいね。

 私は、誰かと友達になりたい、仲良くなりたいと思う時は、まず笑顔であいさつします。「笑顔のチカラ」は無敵だと思いますね。相手が笑顔だと、私はその人にいろんなお話をしたいなあと思うけれど、相手がむすっとしていると、私の方も構えてしまってあまり近づきたくなくなります。その点、ここにいるみんなは無敵ですよ。もしかしたら気づいていないかもしれないけど、みんなは周りの人の心まで温かくできる素敵な笑顔を持っています。少なくとも、私はみんなの笑顔から元気をたくさんもらっています。

 一方で、いろんな人とつきあっていると、たまに、平気で傷つけるようなことを言ってくる人、嫌なことばかりをしてくる人に出会うこともありますよね。そんな時にどうするか、一番やってはいけないのは感情をむき出しに怒ったり、手を出したりすることです。どんな理由があろうと、こんなことをしてしまうと自分が悪者になってしまいます。

 よく「大人っぽい人」「子どもっぽい人」という言い方をしますね。中には「大人げない」などという言い方もあります。赤ちゃんは眠たくなったりお腹がすいたりしたら泣きます。みんなはそんなことしませんね。少しずつ「大人」になってきているということです。つまり、こういう場合の「大人」とは自分の感情をうまくコントロールできるということなのです。

 日本には昔から「お互い様」という言葉があります。この中で今まで一度も人に迷惑をかけたことがない人はいますか?今まで一度も人を傷つけたことがない人はいますか?生きていると知らず知らずの間に誰かに迷惑をかけたり傷つけてしまったりするものです。だから、お互いに迷惑を掛け合っているから「お互い様」で許せる気持ちを持ちたいなあと思っています。

 今日は、上手に人と付き合うために、「笑顔」で接することを大事にする一方、嫌なことをいう人には自分の感情をコントロールして「お互い様」の心で相手を許せるといいなというお話をしました。

 担任の先生は、もっと上手な人との付き合い方を知っているかもしれません。ぜひ、クラスに帰ったら聴いてみてください。

時代は巡り巡って…(校長室から)

2020年11月6日 13時00分
保護者向けの話

 「ファミリーウォークラリー」と聴いて、少し上の世代の方には「懐かしいなあ」「また、復活するんだね」といった感想を持たれた方もいるのではないでしょうか。

 平成22年度までは、「向笠の宝発見ウォーク」という名前で、秋の児童会行事としてしばらくの間、続いていました。この頃の学校だよりを紐解くと、「この行事は児童会が中心となり、1年から6年までの縦割りグループが自分たちの住む向笠の「自然とのふれあい」「歴史・産業・文化・人とのふれあい」をめあてに、自分たちでコースを決め、体験を通して地域のことを学ぶという活動です。」と、この行事の目的が記されています。

 平成23年度以降、なぜこの行事が本校からなくなってしまったのか、今の私には伺い知ることができませんが、本年度からまた復活することになりました。


 昨年度、私は「小規模校であることの利を生かし、異学年交流のさらなる充実を図りたい」との思いを強く持っていました。日課表に「ファミリータイム」を位置づけることで、年間を通じて異学年で話し合ったり遊んだりすることはできますが、学期に一回程度は大きな行事の中でファミリーグループで何かを成し遂げるような体験があってもいいなと考えていました。

そんな思いを職員と話をしていたところ、「では、1学期に運動会をやって、2学期にはウォークラリーを新しくやってみるというのはどうでしょう」という提案があり、全職員に諮り、教育課程に組み入れることにしました。そうしたところ、今年度に入り、感染症の影響で休校措置を取ったことから、再度、教育課程の見直しを迫られることとなりました。私自身は「これ以上先生たちの負担を増やすことはできないから、今年はあきらめるしかないかなあ」と思っていました。しかし、職員からは「土曜授業を実施するなら半日で実施してみませんか」との声があり、11月21日(土)に実施する運びとなりました。正直に言えば、こうした声が職員から上がったことはとても嬉しいことでした。

嬉しいことは、このことにとどまりませんでした。向陽中学校にこのことを話すと、快く協力する旨の返事をいただきましたし、ある学校運営協議会委員の方からも「地域の方も協力体制はできていますので、声を掛けてください」と言っていただきました。いろいろな人のいろいろな思いがつまった行事になりそうです。子どもたちもいろんな人と関わることができる至福の時間を過ごせそうです。

<6年生が各見学地に確認の電話をしています>


 自分たちで目的地を決め、自分たちでコースを決め、自分たちだけで歩く…ざっくり言えば、そんな活動です。ボランティアで来てくれる中学生にはチェックポイントにいてもらい、小学生と触れ合ってもらおうと思っています。職員や地域の大人たちは、チェックポイントと道路上の危険個所に立って子どもの様子を見守るつもりです。

 行事終了後は、地域を歩いて感じたこと、地域のために自分たちでできそうなことなどを、各学級で話し合い、今後の総合的な学習の時間につなげていきたいと考えています。


運動会開会式での挨拶(校長室から)

2020年10月26日 11時21分
子どもたちへのお話

 本日は皆さんの願いが叶い、大変素晴らしい秋空になりました。秋に運動会を行うのは、本校では平成18年以降ですので、14年ぶりということになります。
 本日は、ご多用の中、本校の運動会に保護者の皆様をはじめ、多くの地域の皆様に足を運んでいただきましたことに、大変高いところからではございますが、感謝申し上げます。また、朝早くからPTA役員の皆様・保護者の皆様には、準備を手伝っていただきました、誠にありがとうございます。子どもたちは本日までへこたれることなく、懸命に運動会の練習や準備に取り組みました。子どもたちが日に日に成長する姿に、私はすでに多くの感動をもらってきたところです。本日は、その成果を精一杯に発揮してくれると思いますので、子どもたちの活動に声援や応援を宜しくお願いいたします。
 なお、感染症対策を講じながらの応援となりますので、何かとご不便をおかけするかと思いますが、ご協力をお願いします。何かと暗くなりがちなご時世ですが、今日はぜひ、子どもたちの姿に元気と勇気をもらって帰っていただければと思います。
 さて、児童の皆さん、これまで皆さんを見てきて強く思うことがあります。それは、いかなる結果にかかわらず、一生懸命の姿は何より格好いいということです。悔しそうに友達の背中を追いかけて走る姿、お互いにダンスを見せ合ったり教え合ったりする姿、プロジェクトを組んで自分たちで種目やルールを考える姿など、どれもたまらなく格好いいものでした。

 今日は、私からそんな皆さんに3つのことを期待したいと思います。
 一つ目は「自分から」動くということです。これまでの練習でやるべきことはすべてやってきました。自分が何をすべきかを考え、自信をもって、行動してみましょう。
 二つ目は、仲間と協力して「自分たちで」作り上げる運動会にするということです。1人では出来ないことも、仲間と力を合わせることで大きなことを成し遂げることができます。ぜひ、仲間と助け合う運動会にしましょう。さらにファミリーで動くことも多くなりますので、互いに学び合う運動会にしてください。
 三つ目は、「最後までやりきる」運動会にするということです。これまで皆さんは一生懸命練習してきました。その練習の成果を最後まで力を出しきることは、自分のためであり、みんなのためでもあり、そしてここに応援に来てくれている全ての人のためになります。
 では、「自分から」「自分たちで」「最後までやり切る」運動会になることを期待して、私の挨拶とします。
※ 挨拶の中で、本校では平成18年以降ですので、14年ぶりということになります」と言うべきところを「平成8年度以降・・」と間違えて言ってしまいました。そうしたところ、運動会終了後に、ある子どもから「校長先生、計算が合いません」と指摘を受けました。ちゃんと私の話を聴いていてくれたことに、ここでも嬉しく思いました。

向陽学府の4校が目指す児童生徒像を一つに(校長室から)

2020年10月22日 15時35分
保護者向けの話

 今年度に入ってから、来年度以降の向陽学府小中一貫教育のあり方について、4校の校長が定期的に集まり、協議を続けてきました。一定の方向性を取りまとめることができましたので、要点だけお伝えします。

 今年度まで、「つながり」をキーワードとして小中一貫教育の推進を図ってきました。教科等や行事を通して小学校間のつながりや小中学校間の交流を行ってきました。また、授業参観や乗り入れ授業を通して、教師間のつながりを深めてきました。さらに、各校では、地域とのつながりを重視した教育活動を実施しているところです。

 しかしながら、来年度以降、小・中学校で別々の教育目標を立てるのではなく、大藤小・向笠小・岩田小・向陽中の4校が目指す児童生徒像を一つにした方がその教育効果はより高くなると考えました。そこで、令和3年度以降、各校で学校教育目標を置くことをやめ、9年間をかけて目指す児童生徒像である「学府教育目標」に一本化することとしました。

令和3年度以降の学府教育目標を、「瞳を輝かせ、居がい・生きがいを感じる児童生徒」としました。

瞳を輝かせ」は、態度面を一言で示しました。具体的には向陽学府の子どもたちに身につけてほしい態度として、寛容・自立・創造の態度を掲げました。「寛容(generosity)」は、やさしさの根源ともいえるもので、互いの良さや違いを認めたうえで、相手の心を深く理解し赦そうとする態度を指しています。「自立(independence)」は、主体性の根源ともいえるもので、自分自身の考えを強く持ち、その考えを発信し行動する態度を指しています。「創造(creation)」は、自身の感情をコントロールし、仲間と粘り強く建設的な議論を行い合意形成を図ろうとする態度、学校や地域にとって自分たちが今何をなすべきか新しい価値あるものをつくりだす態度を指しており、たくましさ・こころざし・地域貢献にも通ずるものと考えています。

居がい・生きがいを感じる」は、感情面を一言で示したものです。瞳を輝かせ様々な取組を行った児童生徒に最終的に感じていてほしいことを示すこととしました。
甲斐」という言葉には、「努力した効果や、期待できるだけの値うち」という意味があります。「居がい」の中には、お互いに高め合い支え合う努力をした結果、その学級や学校における所属感を強く感じ、自分が居る値打ちがあると感じられるという意味合いを持たせています。「生きがい」の中には、個性伸長を図るとともに、自分の特性を学校や地域で役立たせることで自分が将来的に生きていく意味を見つけるといった意味合いを持たせています。

笑顔のカタチ(校長室から)

2020年10月6日 13時31分
保護者向けの話

 最近、子どもたちの笑顔を見て、私もこんな素敵な笑顔が作れているだろうかと不安に思うことがあります。

 私は、ヒトが作る笑顔には、2種類の笑顔があると思っています。1つは、相手の心まで温かくしてくれるような「明るい笑顔」、もう一つは相手を蔑んだりバカにしたりして笑う「暗い笑い」です。先に素敵な笑顔と評した子どもたちの笑顔は、言うまでもなく前者の「明るい笑顔」です。

 相手を蔑む心の裏には、自己肯定感の低さが隠れています。自分自身が努力し達成感や充実感を得られれば自己肯定感は高まっていくものです。しかし、自身にそのエネルギーがなく、「どうせやっても成功するはずがない・・」と思う人の心は、自己防衛反応として相手を蔑み低く見ようと思い込むことで、自己肯定感を何とか保とうとします。

 本校の子どもたちからは、相手をバカにしたり蔑んだりするところをあまり見ません。この理由の一端を先日の「向陽学府合同学校保健委員会」で垣間見たように気がしています。


 本会の中で、今年度8月に向陽学府の小学校6年生81名と中学校3年生52名に実施したアンケート調査の結果が発表されました。本調査は、「自分にはよいところがある」など5項目に対して「ある」「どちらかといえばある」「どちらかといえばない」「ない」の4件法で答えさせるものです。私が注目したことは、「自分にはよいところがある」「お家の人はあなたのよいところを認めてくれていると思う」の「ある」「どちらかといえばある」の合計値です。「自分にはよいところがある」は小学校6年生の肯定値が87.6%であり、これでも十分に高いと思うのだが、中学校3年生の肯定値は88.4%と、わずかながら上昇しているのです。「お家の人はあなたのよいところを認めてくれていると思う」についても同様の傾向が見られ、小学校6年生の肯定値は95.1%であり、中学校3年生になるとなんと98.1%と上昇するのです。こういった項目については、年齢が高くなるにつれ、肯定値は低下する傾向になるのが一般的であると思われるのですが、向陽学府においては年齢が高くなると肯定値も高くなっているのです。

 年齢が高くなると、周りから要求されることや期待されることも高くなり、そのたびに自分自身に対して「なんでうまくできないんだろう」「こんなこともできない自分はだめだなあ」と思うことも増えるでしょう。加えて親の期待も高まる中で「どうしてあんたはそんなこともできないの!」なんてついつい言ってしまうものです。でも、本学府の家庭の多くは、子どもの良さを認める温かさがあり、そのために子ども自身も自己肯定感を高く保つことができているのだろうと推察します。

 学校においても、子どもたちが「やりたい」と思うことに積極的に挑戦させる中で、自身の良さを一つでも多く感じられるような日常を送れるように工夫していきます。