校長室から

静岡県の教職員としてキャリア形成をいかに図るか(職員向けの話)

2019年9月11日 17時36分
教師向けの話

 この日の夕会で、「静岡県の教職員としてキャリア形成をいかに図るか」という内容で話をしました。採用時に求められるものとして「教員採用選考試験要項」から、それ以降の教員に各ステージで求められるものとして「静岡県教員育成指標」から示しました。詳細は、以下の通りです。

1 はじめに
 留任も転任も意味があること。自身の「強み」を買ってくれて、自分を必要としている場所がどこなのか、それだけの問題。
※ 自分に合った仕事を探しているはおかしい。仕事というのは社会に空いた穴。そのまま放っておくとみんなが転んで困るから、そこを埋めてみる。俺が埋めた分は世の中が平らになった。仕事はお前のためにあるわけじゃなく、社会の側にある。最近は地面の上に余計な山を作ることが仕事だと思っている人が多い。社会が必要としているかどうかという視点がないから。「超バカの壁(養老孟司 著)から抜粋」

2 静岡県教員育成指標から
(1) 静岡県では、教職員のキャリアを採用時、基礎・向上期(概ね34歳まで)、充実・発展期(概ね49歳まで)、深化・熟練期(概ね50歳以上)の4つのステージに分類している。
(2) 充実・発展期には、「自らの立場や役割を自覚して・・」「自己の強みを確かなものに・・」「同僚への指導助言を・・」「同僚に働きかけて協働的に・・」の言葉が並ぶ。
(3) 深化・熟練期には、「指導的な立場として・・」「学校運営をリードする立場として・・」「人材育成の推進役」「組織に働きかけ・・」「組織的に教育活動の改善を・・」の言葉が並ぶ。
(4) 一つ上のステージを見据えて自己研鑽に努める。特に、「自己の強み」は重要。何を武器に学校に貢献できるか。

3 教員採用選考試験募集要項から
「学び続ける教員」が選考のテーマ。真摯に学び続ける姿勢を持っているか。「授業力」「生徒指導力」「教育業務遂行力」「組織運営力」が身についているかが合格のカギ。
※ 「伸びる選手の3つの条件~原辰徳監督インタビューから」①素直であること(過去の栄光やプライドにしがみつかず素直に指導を受け入れ励む)②謙虚であること(謙虚に自分を省みて行動につなげる)③朗らかであること(失敗を恐れず常に前向きに行動できる朗らかさ)

4 おわりに
 子どもが大好きで笑顔が素敵な教員が集う学校はそれだけで活性化する。
 私は、教育実習生に「自身が教職に向いているか否かを見極める最後のチャンス」と声掛けをしていた。ただし、その判断基準は授業力だとか生徒指導力ではなく、子どもとかかわることが楽しいと思えるかどうかだと言い添えて・・。

子どもの「やりたい」が実現する学校に !(職員向けに話したこと)

2019年8月28日 17時17分
教師向けの話

 夏休みに入り、全職員で本校児童に今必要な力は何か、教師はどのような指導・支援をすべきなのかを話し合いました。詳細はこちら
 このことをもとに、今後の目指すべき学校像を一言で言うならば、「子どものやりたいが実現する学校」ということになるのだろうと考えました。
 これは、「言われたこと」を「言われたとおりにやる」だけでは、子どもたちが大人になった時に幸せになることは難しいだろうという思いとともに、自由には責任が伴うということも多くの体験を通して子どもたちに学んでほしいという願いが含まれています。
 では、以下が職員に話をしたことの概要になります。


1 はじめに
(1) 中間評価会の折に、本校の子どもたちに今、必要な力(スキル)は、①気づく力 ②発信する力 ③互いに感謝する心 ④地道に取り組む力の4点を確認した。
(2) これらはいずれも、教師や他の大人に指示されなければ何もできない・考えられないという子どもに育ててはいけないという全職員の意識から発せられたものと認識している。

2 一人の子どもが多くの集団に属し、様々な活躍の機会があるような学校に
(1) 様々な活動が子どもの発意で生まれ、「それ、やりたい」 と思う子どもたちが集まり企画運営を進めていく・・そんな展開が生まれれば、学級以外の新たな人間関係が生まれ、学級の中では見せなかった、違う「顔」を見せる子どもたちも増えるのではないかと考える。
(2) 子どもたちがやりたいと思うことを自由にやれる、その過程において自然発生的に様々な小集団が生まれる。教師はあくまで子どもの「やりたい 」をサポートする。そんな学校になるように知恵を出してほしい。
(3) ただし、子どもの「やりたい」を汲み取り、それを形にしていくのは時間がかかるし、職員の労力も大きくなる。そこで来年度は、行事等も絞り、準備の時間をじっくり掛けられるような体制にしたい。
3 「小規模校だから」を強みに変える
(1) 子どもの「やりたい」は学級内で完結するものばかりではない。総合的な学習、委員会やクラブ、給食、学校行事など、多岐にわたることが予想されるし、ぜひそうなってほしいとも思う。
(2) 小規模校であるが故、小回りが利いて様々な場面において様々な形態の小集団を作りやすいともいえる。つまり、「小規模校だから」を強みに変えることは可能であると考える。
(3) 子どもの「やりたい」だけでなく、職員の「やりたい」も自由に出し合えるようにしたい。そのために、子どもや職員の「やりたい」を否定するような発言はしないようにしてもらいたい。建設的な意見ならば次につながる。

2学期のキーワードは「たくましさ」~2学期始業式での校長の話

2019年8月27日 10時35分
子どもたちへのお話

 1学期の終業式には、私から3つの宿題を出しました。皆さんは、きちんとできましたか?私はみんなと約束したとおり、読書とウォーキングを毎日つづけることができましたよ。
 今日から2学期が始まります。学校に来る日が82日と最も長い学期になります。新しく5名の仲間も本校に入ってきました。152名でのスタートとなります。
 
 さて、1学期は、楽しく充実した学校生活を送るために、誰かの後をついていくのではなく、「進んで」取り組むことをみんなに話しました。2学期は、「進んで」やり始めたことから簡単に逃げずに最後までやり遂げる「たくましさ」を今のうちからつけてほしいと思っています。
 この先、みんなが大人になって社会を引っ張っていくころの世の中はどんなふうになっているのかと想像すると、今のうちから「たくましさ」を身につけることが必要だと考えています。今後、技術はどんどん進歩し、今ある仕事の半数近くは自動化されて人間がやる必要がなくなるだとか、逆に子どもたちの半数以上は、今は存在していない仕事に就くことになるのではないかとも言われています。さらに、日本全体の人口が少なくなる一方でお年寄りが増えるため、みんなのような働き盛りの大人の責任は今以上に大きくなるとも言われています。

 どうですか?こんなふうに言われて、みんなは大人になることが不安になりましたか?それとも楽しみになりましたか?この先、予想もつかないようなことがたくさんありそうですけど、みんなには、どんなに難しいことがあっても逃げずに乗り越えてほしい、その結果、自分の人生を楽しく充実したものにしてほしいなと願っています。だから「たくましさ」なのです。


 7月25日に行われた磐田地区小学校水泳競技大会での6年生の姿も、自らのめあてに向かって最後まであきらめないたくましいものでしたが、ここではもう一つ皆さんに紹介したいお話があります。玄関の前にある「ツリーハウス」にまつわることです。
 これは、今から15~6年前の皆さんの先輩のことになるのですが、当時、総合的な学習の一部で、上級生の子どもたちがそれぞれやりたいことを考えて下級生も含めみんなにプレゼン(発表)する、その結果「それ、やりたい」と20名以上の子どもが集まると活動ができるということをやっていたそうです。
 そこで6年生の何名かが「学校にツリーハウスを作りたい」と提案し、多くの子どもが「ぜひやりたい」と賛同したことから、そのプロジェクトは始まったそうです。最初はインターネットや本を見ながら模型を作ったり設計図を作ったりするところから始まったそうです。なかなか思うように進まず、1年目は土台の部分しかできなかったようで、そのうち親や地域の方々も何名か参加してくれて2年間かけてやっと完成したそうです。あれだけ大きなものを作る中では、今では想像もできないような苦労もあったと思いますが、自分たちで「やりたい」と言い出したことを最後まであきらめずに完成までこぎつけたところに、当時の向笠小の子どもたちの「たくましさ」を感じます。
 ではこの後、学級担任の先生と、具体的に何をどうすれば「たくましさ」は身につくのかって話し合ってみてください。これで、2学期始業式の話を終わります。

1学期を無事終えて・・(打合せ時の職員向けの話)

2019年7月24日 13時31分
教師向けの話

 本日、午前11時30分に集団下校を行い、1学期も無事終了しました。保護者や地域の皆様におかれましても、これまで陰になり日向になり、子どもたちを、そして本校の教育活動を支えていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。
 さて、昼食後に行った1学期最後の職員打合せの場で、校長から全職員に向けて話をした内容は以下のとおりです。


1 1学期無事終了。ありがとうございました!
 (1) 全員が元気に登校し、笑顔で下校する。このことが何よりの成果。これまでの様々な子どもの表れを思い出すと、今の姿は、職員全員が「全ての子どもたちのために」全力で取り組んでくれた賜物と思う。
 (2) 毎日の授業参観から、「これなら、子どもたちも学ぶことが楽しいと感じるはず」と思える授業がずいぶん増えてきた。皆さんの授業改善に係る努力に感謝。
 (3) 夏季休業中は、まず心と体のリフレッシュ。次に、子どもの成長の速さに追い越されないように教師としての幅を広げる。学び続ける姿勢、人間としての幅の広さこそ子どもにとっての魅力となります。

2 2学期のキーワードは「たくましさ」
(1) 「自主・自治・貢献」の基本理念のもと、1学期は「進んで」をキーワードとした。2学期は「進んで」という取組姿勢にプラスして、子どもたち自身で課題解決しようと粘り強くやり遂げる「たくましさ」を求めたい。
(2) 来年度から本格実施となる新学習指導要領において、観点別評価も3観点となります。その一つである「主体的に学習に取り組む態度」の評価として、①粘り強い取組を行おうとする側面 ②自らの学習を調整しようとする側面(学習の進め方について試行錯誤するなどの意思的な側面) を挙げています。(「学習評価の在り方ハンドブック(文部科学省)」から)なお、同ハンドブックには、「挙手の回数や毎時間ノートを取っているかなど、性格や行動面の傾向が一時的に表出された場面を捉える評価ではない」と明確に述べています。
(3) 上記の取組は、時に子どもたちにとって苦しい時間、辛い時間となるのかもしれない。それでもやり遂げる「たくましさ」を身につけさせてほしい。


3 経済産業省が提唱する「未来の教室」

 インターネットで簡単に調べ、パワーポイントで簡単にプレゼンする・・・20年前には想像できなかった世の中が今目の前にあります。向笠小の子どもたちが世の中に羽ばたき大きく活躍するのは約20年後です。我々は20年後の世の中に思いを馳せながら教育を進めなければならない。たぶん、知識量が多いことは何の自慢にもならないのだろうと思う。いろいろな情報をどのように結びつけて、どのように活用し、どのように世の中に生かしていくか・・そのことに重きがおかれることは間違いないのではないかと思います。
 後日、アンケート結果などをもとに1学期の教育活動を振り返り、2学期に活かすための「中間評価会」を行います。その際にも、本校の子どもたちに真に身につけさせたい力は何かについて話し合ってもらう予定ですが、参考になればと思ってご紹介します。

「未来の教室」
 子どもたちに未知の課題に向かい、未来社会を創造する当事者(チェンジメーカー)の資質を育むことを目指す。
 (1) 3つの柱
ア 学びの自立化・個別最適化:知識のインプットの時間を短く個別最適化
イ 学びのSTEAM化:Science(科学) Technology(技術) Engineering(工学) Mathematics(数学) + Liberal Art(人文科学) 社会課題の背後に潜む数理的な背景を理解し、文理の知識を自在に活かして課題解決を図る、探求・プロジェクト型学習に時間を要す。
ウ 新しい学習基盤作り:学校ICT環境の整備 学校BPRの推進 教師が学び続ける機会の創出(教師の役割は、学びの提供者から学びの伴奏者へ)
 (2) 令和時代の新しい社会を生きる子どもたちのための、あるべき学びの姿
知識のインプットに要する時間は短く、探究・活用に要する時間を多く取ることで、学びへのモチベーションを高める。


4 「ひとりの時間」を持っていること

 (1) インターネット・スマホに関するアンケート調査から、多くの子どもがこういった機器を利用していることが明確になりました。発達段階に応じた特徴も見えてきました。ぜひ、2学期には「痒いところに手が届く」指導を。
 (2) 自己形成において、自分を深く見つめる「ひとりの時間」を持っていること、つまりひとり静かに深く「自己と向き合う時間」を持っていることが大事だということです。
 (3) 「児童養護施設の子どもの発達は1年半ぐらい遅れている」と書いている文献もあります。なぜなら一人になる時間がないからです。ボーっと自分を見つめたり、「内なる自分」と向き合ったりする葛藤の時間が発達にとって必要というわけです。スマホやLINEの依存状態は、思春期の子どもの精神的自立や成長に影響を与えるとも書かれています。


5 人は言いたいことが言えると楽しい

 (1) ピア・サポートトレーニングを行った山口権治氏の授業での言葉。「人は言いたいことが言えると楽しいんです。では、今日はどうして言いたいことが言えたのか。それは、聴き方が良かったからです。お互いに楽しい気持ちで過ごすには、まず聴くことです。」
 (2) 聴き方のコツとして ①笑顔 ②相手の顔を見る ③うなずく の3つを挙げる。

 

1学期終業式 校長あいさつ「夏休みの3つの宿題」

2019年7月24日 09時45分
子どもたちへのお話

 4月4日にはじめてここで皆さんと会ってから、今日で112日目(授業日だけだと73日目)になります。皆さんと会えて本当に良かったと思うし、皆さんは本当にいろいろなことをよくがんばったと思います。先ほど、各学年代表の7名が1学期に頑張ったことを発表してくれました。どの子の発表もすばらしかったです。

 例えば、毎日元気な笑顔で学校に来ることができた、このことも頑張ったことの一つですね。ちなみに1日も休まず登校できた子は87人、1日だけ休んだ子は31人で、合わせると118人になります。
 さらに1学期には、多くのお客様が見えて、みんなのがんばりをほめてくれました。例を挙げると、クラスの雰囲気が明るく落ち着いていること、男女仲良く運動や勉強ができていること、1年生は幼稚園の時より成長したこと、授業の中で自分から課題を解決しようとする姿が見られたことなどです。
 あいさつについても、地域の方から「横断歩道を渡るときに、止まってくれた車にありがとうと言ってくれてうれしかった」という声も聞きました。代表委員会の中で「向笠小をよりよくするために」というテーマであいさつについて話し合ってくれたことも私は嬉しく感じました。

 始業式では、「進んで」という言葉を使って、こんな子になってと3つお話をしました。「進んで自分自身をのばす」「進んで自分の学級や学校をよくする」「進んであいさつする」です。できたでしょうか。


 さて、明日から33日間の夏休みに入ります。私からみなさんに3つのことを宿題としてお話しします。この3つは絶対にやってほしいことです。
 一つ目は「命を大切にする」ことです。交通事故、水の事故など絶対に遭わないこと。熱中症にも気をつけてください。
 二つ目は「つづける」ことです。何でもいい、一つでいいから、自分を伸ばすためにやり続けてみてください(ちなみに私は、この夏休みは毎日読書をすることと、朝晩のウォーキングを続けたいと思っています)。
 三つ目は「地域のためにできることをする」です。地域の人に会ったらあいさつするのでもいい、地域の行事に進んで参加するのでもいい、みんながそうすることで、地域の人は嬉しいし、明るい気持ちになります(ちなみに私も犬の散歩をする時は、地域の人に進んであいさつしていますよ)。

 では、2学期の始業式(8月27日)に、元気な笑顔で会えることを楽しみにしています。

初心忘るべからず(夕会での校長の話)

2019年7月19日 17時06分
教師向けの話

 本日の新聞に「昨日、県教委は4件の懲戒処分を行った」旨の記事が掲載されました。このことを受け、夕会の折に、職員と以下のことを共通理解を図りました。
 
1 教職員は、想像力を磨くべき!
 人とかかわる仕事だからこそ、自分以外の人の「痛み」を受容できなければいけないと思います。毎日の教育活動を行ううえでも、子どもたち一人ひとりの心の声を想像することは必要です。ましてや、教職員である自身が何か事件でも起こしたとしたら、被害児童生徒は一生辛い思いを抱えていかなければいけないし、本人や家族の代償は重すぎるものになるだろうし、対応は学校だけにとどまらず、多方面に悪影響を及ぼす・・・など、ほんの少しの想像力があれば、容易に分かるはずなのです。

2 誰かのストッパーに
 一般的に、あってはならない事件というものは、それが起こるまでに幾つもの存在すべき多くのストッパーが、(ものの見事に)一つも働かない時に起こるものだと思います。
 人間誰しも浮き沈みはあるし、良くないことが頭をよぎることもあるものです。闇の部分を何も抱えていない人間なんていないわけですから。だからこそ、たった一言の世間話がストッパーになることもあると思うのです。私も誰かさんのストッパーになれていればいいなと思っています。

3 初心忘るべからず
 「なぜ先生になったのですか。」「なぜ、今まで先生を続けてこられたのですか?」・・思い出して、まわりの先生たちと言い合ってみてください。その思いを忘れなければ、いやなことがあっても乗り越えられると思います。

4 おわりに
 私は今、「子どもたちを前にすばらしい仕事をさせてもらっている」という自信と誇りを持っています。皆さんも同じだと思います。そして、私たちは「全ての子どもたちのために」集まっている集団です。 「子どもたちのため」にならない行為は絶対に許さないという強い気持ちを持ちましょう。

子どもの命がこんなに軽く扱われていいのか(夕会での校長の話)

2019年7月9日 17時45分
教師向けの話

 7月9日(火)の夕会の折に、新聞報道等で大きく取り上げられている2つの事件にふれ、これらの事件から我々は何を学ぶべきかについて話をしました。概要は以下のとおりです。

1 子どもの命がこんなに軽く扱われていいのか!(新聞記事から)
(1) 概要
○ 埼玉県所沢市で中2男子生徒が同級生から刃物で刺され死亡。加害生徒は以前から学校に対し、被害生徒との関係を相談していた。当初、学校・市教委は「2人の間にトラブルは把握していない」と回答。
○ 岐阜県岐阜市で中3男子生徒がいじめを苦に転落死。生徒がいじめに遭っていると訴えた同級生のメモの存在を学校が把握したのは生徒の死亡翌日、県警から照会を受けた後のこと。担任は学年副主任と情報共有したが、管理職には伝えず。その後、担任は他の書類と共にシュレッダーにかけた可能が高い。

(2) 子ども同士のトラブルをどう捉えるか
○ 両件に共通しているのは、担任が当該生徒のトラブルを把握していたこと、担任が把握したのは生徒からの訴えであったこと、管理職は把握していなかったことの3点である。
○ 新聞記事からの推測ではあるが、担任はこれらのトラブルを「悪ふざけ」として重く受け止めず、結果として担任の主観で握りつぶした可能性がある。
○ 本校では、子どもの些細な変化をキャッチしたら、すぐに学年団長及び教頭に連絡する体制を徹底させたい。ましてや子どもからの訴えがあれば、重い・軽いを勝手に判断せず、子どもの気持ちに寄り添った対応をすることは当たり前である。
○ 本校は、「真にすべての子どもを大事にする教育」を具現化する学校でありたい。

2 その他(1学期もあと2週間!)
(1) 課外練習(水泳・音楽)に全職員で取り組む姿勢に感謝。水泳練習に、教員がプールに入って直接子どもたちに指導する姿を見て嬉しい気持ちに。
(2) 各学級で1学期の総括を。特に「自主・自治・貢献」にせまる良い表れを具体的に子どもたちに示し、どのような姿を目指しているのかを明確にしたい。

「水泳選手を励ます会」での校長の話

2019年7月9日 14時01分
子どもたちへのお話

 これまで、皆さんは一生懸命、水泳練習に励んできました。中には、「疲れたなあ、辛いなあ、やめたいなあ」と思うときもあったかもしれませんが、本当によくがんばったと思います。先ほどの模範演技も、とても上手でした。

 さて、皆さんは、水泳練習を通して、「泳ぎ方」や「体」を鍛えただけでなく、「心」も鍛えてきたのです。私は、これまで幾つもの水泳大会を見てきて、「心が鍛えられていない」と感じる場面も幾つかありました。例えば、大会当日、自分のもっている力を出そうとしない人、他の人の応援もしない人、他の学校の先生や選手にあいさつ一つできない人などです。
 みなさんは違うと思います。25日の水泳大会では、ぜひ、これまで鍛えてきた「心」を見せてください。

 5年生については、この会に向けての準備もありがとうございました。6年生に向けてのエールもとても立派でした。

 「磐田市小学校水泳競技大会」は今年で幕を閉じます。皆さんは水泳大会に出場する最後の選手となります。ぜひ、最後を飾るにふさわしい、全力の泳ぎを見せてください。応援しています。

ブルーベリー狩りをすることになった経緯について(校長室から)

2019年7月9日 09時20分
保護者向けの話

 本校では、昨年度から、地域で栽培された農作物を使って給食を作り子どもたちが食するという「地産地消」の取組を進めています。
 その中で、本校の子どもたちのことをとりわけ気にかけてくださる業者の一つに「橙香園」があります。これまで、ブロッコリーやキャベツ等を給食のためにおろしてくださっているだけでなく、珍しい野菜や色の違う野菜等ができると「子どもたちに紹介してやってほしい」という思いで学校に届けてくださっています。

 橙香園の代表である金子政雄氏が7月4日に本校を訪問してくださり、「7月17日の給食では、うちでできたブルーベリーを使って、給食にジャムとして子どもたちに食べてもらいます。どうせなら、子どもたち自身でうちの園に来てもらってブルーベリー狩りを楽しんでもらって、自分たちで獲ったものを自分たちで食べるという体験をしてほしい。」という申し出がありました。

 急な申し出であり、各学級では1学期のまとめを行っている大事な時期でもありますので、少々思案しましたが、私は「自分たちで獲ったものを自身で食するという体験はとても貴重であり、子どもたちにもできれば体験させたいと思います。ただし、急なことですので、各学級担任は既に授業の計画もびっしり立てていることもあるでしょうから、無理に全員を連れて行くということにはならないかもしれません。方法等はこちらにお任せいただけますでしょうか。」とお話ししました。
 
 私は教頭に「職員室に戻り、職員に主旨を説明しながら、実施可能か検討してほしい」と話しました。しばらくして教頭は校長室に戻り、「先生たちで話をした結果、午前中をB日課にして昼休みからの時間を使うのならばどの学年も実施可能とのことです」と報告してくれました。

 できないことの理由を列挙することは簡単なことですが、本校の職員はそうではありませんでした。子どもたちにとって良いことならば、「どうやれば実施できるのだろう。」と真剣に検討してくれました。私は、とても嬉しく思いました。

 こんなことで急遽決まった体験活動ですが、子どもたちにとってきっと忘れられない体験になると信じています。

お知らせ文書「ブルーベリー狩りをしよう」.pdf

「自主・自治・貢献」にかける思い(職員会議での校長の話)

2019年6月26日 16時37分

4月当初より、目指す子ども像として「自主・自治・貢献」を掲げています。今回の職員会議においては、この3つのうち「自治」に特化して、以下のとおり職員に話をしました。

 今から約25年余り前のことです。私がある中学校に勤務したときのことをお話をします。この中学校勤務で、私の教師観、指導観の基礎は作られたといっても過言ではありません。
 当時の子どもたちのうち、心の隙間を埋めるため、煙草・シンナー・盗難・夜間俳諧何でもありの状態の子もかなりいたように記憶しています。1年生を一緒に組んだ学年主任の言葉は「子どもを良くしようとするな。今より悪くならなければいい。」「3年後、子どもたち全員を卒業式に出席させる」というものでした。最初は、この言葉の意味が分かりませんでしたが、次第に「上から指導監督をするのでなく、とにかく子どもに寄り添ってほしい。そして3年の最後まで1人の脱落者もださない。」という強い決意の表れだということが分かりました。

 では、どうやってそのことを具現化するのか、まさに 「やらされる」から「自らやる」への転換であり、自治の意識の醸成でした。
 教師が上から押さえつけようとすると子どもは反発します。だから、子どもたちと約束しました。「子どもたち自身でルールを作り、自分たちで守る。それができなければ、教師がルール(厳しい校則)を作り、それを守らせるしかなくなる。」と。つまり、自由には責任が伴うことを教えたのです。
 この後、教師たちは子どもの自治的な動きを徹底的に支えるという地道な活動を繰り返しました。 子どもたちは教師から押し付けられたくないから、お互いに話し合い、お互いに注意し合い、いつしかどの学級よりいい学級にしようとがんばるようになってきました。

 このことは、自然に、仲がいいとか悪いとか言っていられない状況を作ることにつながり、誰とでもしゃべらなければやっていけない状況(雰囲気)ができあがりました。
 私は、子どもたちが教師に求めているのは「ほめてもらう」ことではない、自分たちだけでやれるんだと「認められる」ことだと、子どもたちの変容を見て強く感じました。

 さて、現在、次年度以降の教育課程について検討してもらっていますが、安易に自治的活動とその準備の時間をカットしてはいけないと思っています。担任は変われど、学級のメンバーは変わらない。ならば、担任等いなくても子どもたちだけで学級をより良いものにする環境を作ることは重要だと思うのです。「自治」の意識が醸成されるよう意図的に環境設定する必要があると考えています。


 最後になりますが、夏休みのくらしについてです。夏休みは、子どもたちが家庭の中で成長する機会であり、保護者の協力・理解は不可欠です。以下のことについて学級懇談会などの場で説明をしてください。あわせて、子どもたちには「何を どのように」学習を進めればよいか、個別の支援をお願いします。

○ 学校では「自主・自治・貢献」を目指す子ども像とし、進んで自身を伸ばすこと、周りの環境を良くすることに取り組んできた。
○ 夏休み中、親に甘え、親が言わないと何もやらないなどということがないよう、めあてをもたせ、自らを伸ばすよう声掛けをお願いしたい。
○ 本来、学校が子どもたちに課す宿題の目的は①既習事項(基礎・基本)の定着 ②学習習慣や生活習慣の定着 の2つ(予習的な意味合いを入れると3つになるか?)。したがって、夏休みの宿題については、上記目的を達成するための最低限のものにおさえる。あとは家庭と子どもと話し合いながら、学習内容を決めてほしい。