校長室から

東日本大震災後10年目に改めて思うこと(校長室から)

2021年3月11日 14時53分
保護者向けの話

2011年3月11日に起こった東日本大震災から今日で10年が経過します。この震災で1万5000人以上の方々の命が失われたとのことです。本校においても、哀悼の意を表し、半旗※を掲げるとともに、震災が起こった午後2時46分には教職員及び全児童で黙祷を捧げます。

※半旗の掲揚は、国旗を旗竿(ポール)の最上部まで揚げた後、旗竿(ポール)の適当なところまで降ろして掲揚することとし、半旗の位置については、竿頭と旗との間を相当程度離せばよいものとされています。


 私たちはこの一年、「もしものことが起こった時に、自分の判断で行動することができる」子どもを育てようと防災教育を進めてきました。4月当初には、通学路の危険個所や避難場所の確認、校内で地震が起こった場合の避難経路と避難場所の確認を行いました。この後の避難訓練などは、教職員は見守る立場(支援者)を取り、極力、判断を子どもたちに任せるようにしました。

 東日本大震災は、今を生きる私たちに多くの教訓を示しています。ある新聞記事には、「児童108人のうち84人、教職員13人のうち10人が行方不明となった石巻市立大川小学校では、校庭に集められた児童らは寒空の下で待機を続けて移動をし始めた直後に津波にのまれた。犠牲が出たのは津波が襲ったからではなく、逃げなかったからだ。意思決定と行動力が命を救う。」と書かれていました。本校でも、今この瞬間に地震が起こったら、向笠小職員としてどのような行動をすべきなのか、常にイメージしておこうと話し合っています。

 また別の記事には、釜石市立釜石小学校の事例が載っていました。同校は、震災当日、学年末の短縮授業のため、子どもたちは午後1時には下校し、普段通りの放課後を過ごしたそうです。公園で友達と遊んでいた子、海で釣りをしていた子、自宅で過ごしていた子・・子どもたちはその時に自分がいた場所から最適だと思う避難所へ、自分の判断で避難したんだそうです。その結果、同小の当時184人の児童は、学校管理下になかったにもかかわらず、全員が無事だったというのです。

 この2つの記事を比べて改めて思うのは、やはり子どもの命を救うのは、日頃の備えに勝るものはないということです。本日、学校から保護者に宛てたメールに、「10年前の震災を教訓として、万一、登下校時や帰宅後などに地震が発生した場合、どの経路を通り、どこに避難すればよいかなど、「命」を守るための適切な行動について、子どもたちとじっくりと話し合う機会にしていただけたらと思います」とお願いをさせていただきました。ぜひ、学校と家庭で連携して、もしものことが起こった時に、自分の判断で行動することができる子どもを育てていきましょう。