校長室から

子どもたちが落ち着いて生活できるように~①生活リズムを整える

2020年9月16日 11時29分
保護者向けの話

 このホームページで何度か書いていますが、今年度は昨年度以上に子どもたちは落ち着いて学習や生活に取り組んでいます。加えて、2学期に入って、ほとんど欠席もなく、子どもたちの表情もいいのです。これには、幾つかの要因があるでしょうが、学校での生活環境を整える中で、私たちが特に配慮・工夫していることもあります。家庭内で子育てをするうえで何らかの参考になればと思い、まとめてみることにします。

 まず、「生活リズムを整える」ということです。2年生以上の保護者の皆様はお気づきかと思いますが、本年度の日課表は昨年度までのものよりシンプルになっています。昨年度まで「A日課」「B日課」の2パターンありましたが、本年度はこれをなくしました。「B日課」になると、朝の会を早め、給食の始まりを早くして5校時の始まりも早くするというもので、これは往々にして教師側の都合によります。

 日課のパターンが増えると、それだけで子どもたちの生活リズムは微妙に変化します。このことにより何となく落ち着かない子どもも出てくると考えられます。だからこそ、日課表は1つにして、いつも同じリズムで生活できるように工夫しています。

 年齢が小さいほど、この「生活リズム」というのは大事な要素になります。同じ時間に起きて、同じ時間にご飯を食べて、同じ時間に寝る…大人は「同じ生活は刺激がない」なんて言いますが、子どもはこのマンネリこそ、心の安定を保つには最も重要なことになります。


 昔、私が学級担任だった頃、子どもの保護者から「うちの子が家で勉強しません。どうしたらいいですか?」とよく相談を受けました。こんな時私は「歯磨き」に例えて次のように話をしました。「人間は、歯磨きをしないと虫歯になる・・などという考えより、歯磨きするのは面倒くさいという思いの方が勝ってしまいます。でも、食事の後に歯磨きをする習慣がついてしまうと、逆に歯磨きしないと何となく気持ち悪い感じがします。勉強もこれと一緒です。家庭生活の中で、毎日、同じ時間に勉強するように習慣づけするのです。子どもが勉強している時は、親も子どもの横で読書でもしていればいいと思います。そのうち子どもも、勉強しないと何となく気持ち悪いと思うようになりますよ。

 つまり、理屈で「こうすべきもの」ということは、頭では分かっても体はその通り動いてくれません。体内時計にしみ込ませてしまえば、毎日同じリズムで生活することが子どもの心の安定につながるし、ひいては子ども自身で自分を伸ばそうとします。


 最後に、竹の子1組の取組を紹介しておきます。下の写真にあるように、授業の始まりと終わりの時間を、時計の絵を示しながら見える化しています。このことにより、子どもたちは先の見通しが持てるようになります。先の見通しが持てると、子どもの心は安定します。単純なことのようで、大人の側にこういった細かな配慮ができるか否かで、子どもの心の落ち着きは変わってくるものだと思います。