2学期は「面白がる」という姿勢をもって・・(校長室から)
2020年8月20日 11時44分 前回の「遠き日の運動会での思い出(校長室から)」の中で、「子どもたちの着想や発想を面白がる」という言葉を書きました。この「面白がる」という言葉は、私たち職員にとっても、そして子どもたちにとっても大事な言葉になると、私は考えています。
先日、ある新聞のコラムに「日本の先生はゴールから私たちを見ている。アメリカの先生はスタートから私たちを見ている。」という内容が掲載されていました。日本の先生は、「よくできました」「がんばったね」とゴール地点から手招きしている、それに比べてアメリカの先生は「こんなことができるなんて羨ましい」「その考えは私には思いつかなかった、すごい」とスタート地点から子どもたちの背中に向かって声援を送っているというのです。
私は、どちらが良くてどちらが悪いかといった二者択一のような考え方をするつもりはありませんが、スタートとゴールの両方から子どもたちを見守るという視点は必要だなと改めて考えさせられました。
先日の「教師の夏休み…(校長室から)」の中で、夏休みに入ってすぐの校内研修で「教師が指示する場面をさらに厳選したい」との反省が先生たちから出されたことを紹介しました。教師が先頭に立って子どもたちを指導している間は、子どもは次々に与えられるものに対応しようと頑張るのみです。子ども自身の発想や工夫が生かされる余地はありませんし、教師側はまさにゴール地点で、できた子どもをほめるしかありません。アメリカのようにスタート地点で子どもの着想や発想を面白がるためには、先述の反省のとおり、教師が指示する場面を厳選して子どもが活動する時間を多く取るしかありません。だから、「面白がる」ことは2学期以降の授業改善の大きな視点かなと思っています。
加えて、「面白がる」ことのもう一つの効用を述べておくと、教師も子どもも笑顔が増えるということです。黒板の前に立って先生が一生懸命に指導する光景を思い浮かべていただくと分かる通り、どうしても眉間にしわが寄ってしまいます。子どもたちも聴いているだけですので笑顔になれるはずもありません。笑顔が増えると、脳も活性化し学習内容も定着しやすいと考えられます。
ここまでは、私たち職員が「面白がる」ことが必要だという話をしましたが、子どもたちにとってもこの視点は必要になってくると思っています。
2学期は「自分たちで」をキーワードに、学級やファミリグループでお互いに高め合い支え合う様々な取組を通じて、豊かな人間関係を構築できるようにしていきます。
その際に「面白がる」姿勢は必要です。お互いの考えを聴こうともしないし、聴いたとしても賛同することもないような雰囲気のなかで、より良い人間関係が築けるはずもありません。まずは子どもたち同士でじっくり話を聴きあう、その中でお互いの発想の違いを「面白がる」ような雰囲気ができればいいなと思っています。「その考え、面白いね。」「そんなことを思いつくなんてすごいね。」なんて言われたら、話す方も気分が良いですから・・。