2学期のキーワードは「自分たちで」(2学期始業式 校長あいさつ)
2020年8月26日 10時48分 みなさん、改めましておはようございます。全員が笑顔でここに集まることができたことがまずもって嬉しいことです。21日間といつもより少し短い夏休みでしたが、自分を高める事ができましたか?
私は夏休みを利用して、長野県上田市というところにある「無言館」という美術館に行ってきました。その名前の通り、ひっそりとした場所に建つ静かな雰囲気の美術館でした。ここには、画家になることを夢見ながら、戦場に駆り出され生きて帰ることができなかった若者たちの遺した作品や手紙などを展示しています。
戦時中とは思えないような穏やかな街の風景画だったり、愛する人の人物画だったりと、平和への憧れや「もっと生きていたい」という叫びまでも感じるものばかりでした。改めて殺してもいい無駄な命なんて一つとしてないと思いましたし、みんなが大人になっても戦争のない平和な世の中を作っていってほしいと強く思いました。
2学期に向けてのお話に入る前に一言お礼を言わせてください。終業式後、私のところに何枚かの「かがやきカード」が届けられました。その内容は大まかにいえば、「毎朝、校門の坂を箒で掃いてくれている」「おはようと元気よく言ったらおはようと返してくれる」「いつも授業を見に来てくれる」といった内容でした。私の方がみんなから元気をもらっているのに、こんなふうに「ありがとう」と言ってもらえるとやっぱり嬉しいし元気がでます。この場を借りて皆さんに私から「ありがとう」と伝えたいと思います。
さて、2学期のキーワードは「自分たちで」だということは、1学期の終業式の中でも伝えました。毎日の授業はもちろんのこと、運動会やファミリーウォークラリーをはじめ多くの行事で、いろいろな人と支え合い助け合い協力し合いながら取り組むことが多くなります。先生たちを頼らずみんなでいろいろなものを創り上げていってほしいなと思っています。
そこで、みんなに願う姿として、2つのことを挙げておきたいと思います。
一つ目は「どうせ・・」って言わないということです。やりもしないうちから「どうせ、やってもできないもん」「どうせ、言っても反対されるだけだもん」などと言ってほしくないなあと思っています。みんなで協力するためには、一人一人がちゃんとした考えをもってそれを発言することが大事なことだし、「どうせ」で諦めてしまうのは成長のチャンスもみすみす潰してしまう残念なことだと思うのです。ほんの少しの勇気を出して行動してみる、発言してみるようにしてほしいです。
二つ目は「面白がって聴く」ということです。面白がると言っても、なにも馬鹿にしたり冷やかしたりしましょうなどと言っているのではありません。むしろその逆です。クラスやファミリーグループのみんなの考えにしっかりと耳を傾けてみましょう。そのうえで自分と違った考え方に出会ったら「そんなふうに考えられるなんてすごいね。」「そんな考えは思いつかなかったな。面白いね。」などと言ってあげましょう。私も、毎日の授業参観の中でぼそっと「すごいね」「面白いね」ということがありますが、その子の考えに対して尊敬の念をもって面白がっていると思ってください。
昨年度の2学期始業式ではツリーハウスのことをお話ししました。今から15~6年前の皆さんの先輩が「学校にツリーハウスを作りたい」と提案したことからそのプロジェクトは始まり、2年がかりの大事業になったという旨のことを紹介しました。
先日の新聞に、ある学校では、運動会でお揃いのTシャツを着るのが恒例だそうですが、今年はコロナの関係でそのお金を集めることができなくなったそうです。そこで、製作費を集めようと子どもたちだけで資源回収をやりたいと校長先生に直談判して実現したという記事も載っていました。
さあ、みんなはどんなことを「やりたい」って言ってくれるのでしょう。そしてどんなことを自分たちの力で実現してくれるのでしょう。私はワクワクするような気持ちでみんなのことを見ています。これで始業式での私の話を終わります。
いつも、式の入場曲と退場曲は、6年生児童がピアノ演奏等を行ってくれるのですが、今日の退場曲は写真のとおり6年生4名が鍵盤ハーモニカとリコーダーによる「ラバーズコンチェルト」を演奏してくれました。式後のホッと和む瞬間でした。