過去からの思わぬ「お手紙」が…(校長室から)
2020年7月9日 07時34分 先日、3階パソコン室の黒板をホワイトボードに張り替えました。これは、チョークの粉が舞わないという衛生面はもとより、パソコンで作ったプレゼン資料を簡単に投影できるという機能面も考えての工事でした。
びっくりしたのは、黒板を取り外した後の壁面いっぱいに、何やらたくさんの文字が書いてあるのです。よく見ると、「1983年1月29日(土)」という言葉が何か所か書かれていること、「向笠小さようなら ありがとう」「新校舎こんにちは 木造校舎さようなら」などの文字も見えます(名前や住所も書かれていましたので、これは目隠ししています)。
学校沿革誌等を調べると、それまで現在の向笠交流センターが建っている場所にあった木造校舎から、現在の校舎に改築したのが1983年(昭和58年)3月ということになっています。そうすると、ここに書かれたのは、新校舎に移ってくる前、教室に黒板がはめ込まれる前に、当時の先生と子どもたちが記念に好きなことを書こうということになったのかもしれないなと想像します(現在のパソコン室は、昭和58年度には5年生の教室として使用されています)。
<昭和55年当時の旧校舎全景写真です>
壁面の文字をじっと見ていると、明るい笑顔と、はしゃいだような、それでいてちょっぴり寂しそうな、そんな声まで聞こえてきそうです。と同時に私たちは遠い過去から、愛すべき場所である「学校」というバトンを引き継いで現在をひた走っているという責任の重さみたいなものも感じます。多くの人々が愛し育てたこの向笠小学校を、私たちは守り育てなければと改めて感じた一瞬でした。
これを書かれたのは、今から37年前となりますので、現在は40代後半になられていることでしょう。この当時のお話を聴かせていただける機会があると嬉しいなあなどと思っています…
…上記のページを掲載して間もなく、昭和58年当時に本校にお勤めになられた先生からご連絡をいただきました。その先生によると、「新校舎の完成前に当時の校長先生が配慮してくださり、みんなで書いた覚えがある」とのことでした。まさに粋な配慮をしていただいたなあと思うと同時に、もしかすると他の教室の黒板の後ろにもこういったメッセージが残されているのかもとワクワクしてしまいます。