校長室から

通信票「かがやき」の配布時期を検討しています(校長室から)

2020年6月16日 18時05分
保護者向けの話

1 はじめに
 新型コロナウイルス感染症対策により、約2か月足らずの期間、休校措置を取ることとなりました。1学期を8月4日まで延長はしたもののきちんとした評価ができるのかと職員間でも検討を行いました。中には、「1学期が短くなったため、2学期分と一緒に評価することとしたらどうか」といった意見も出されました。
2 観点別学習状況を評価する上での課題
 (1) 評価を実施するに足る学習を行っているか。
 休校期間が長くなったため、子どもたちの学習状況を的確に評価できるのかといった課題です。通常では、4月上旬と7月下旬の子どもの姿は大きく違っており、その成長の表れを総合的に評価します。しかし、今年度は5月下旬からのスタートとなりましたので、評価期間も短く、子どもの頑張りや成長の足跡を的確に評価できるのかといった課題があります。
 (2) 通信票を作成する時間を生み出せるか。
 学習状況を正確に評価し、通信票を作成するにあたって、教師はこれまで蓄積してきた多くのデータをもとに分析し、子どもや保護者に分かりやすく示すことが必要であり、相当の時間を要します。そのため、通常であれば、一定期間において、授業時数をカットし、教師の作業時間を生み出します。しかし、今年度は「学びの保障」が大きな課題になっており、これ以上、授業時数をカットすることは望ましくありません。
 (3) 評価の観点が変更になったことへの対応。
 平成29年告示の新学習指導要領では、教育課程全体を通して育成を目指す資質・能力を、①何を理解しているか、何ができるか(生きて働く「知識・技能」の習得) ②理解していること・できることをどう使うか(未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成) ③どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか(学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」の涵養)の3つの柱に整理しました。このことに伴い、学習評価の観点も「関心・意欲・態度」「思考・判断・表現」「技能」「知識・理解」の4つだったものを、「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体的に取り組む態度」の3つに改めました。このことに対応するために、教師側も十分な研修を行い、学年団で話し合いながらじっくりと時間をかけて評価を行っていく必要があります。
3 上記課題を解決するための方策について
 1学期と2学期を合わせた評価を実施する、つまり1学期の通信票は出さないとすると、保護者の皆様に、長い期間、お子さんの学校での学習状況をお伝えすることができなくなります。したがって、短い期間ではありますが、5月18日から8月4日までの学習状況を評価して1学期の通信票を作成していきたいと考えています。
 しかし、教師側の通信票作成に係る事務作業時間も十分に確保したいため、夏休み中に作業を行い、2学期当初に通信票をお渡しすることも考えています。
 さらに、各教科等や学校生活の様子の中で顕著な表れについては、例年は、1学期は保護者面談の中でお伝えをしていました。しかし、授業時間確保等の観点から、今年度については、面談を取りやめ、通信票の所見欄にてお伝えすることも考えています。