子どもたちが意欲をもって登校できるために(保護者の皆様へ)
2020年5月8日 12時52分1 はじめに
これほど長い期間学校がお休みになるということは、誰しも経験したことがない一大事と言えるでしょう。新型コロナウイルス感染症から子どもたちのいのちを守るという観点でいえば今回の措置は妥当であると思っていますが、こんなに長い間、お休みが続いてしまうと、再開後に子どもたちはもとのように学校生活が送れるのだろうかと不安にもなります。
これまでの私の教職経験においても、夏休みを満喫しすぎた子どもが、2学期明けに朝起きることが難しい、授業への意欲が湧かない、学校のリズムに乗り切れないといった姿になることはよくあることでした。今回はいつもの夏休みの倍以上のお休み期間ですからいらぬ心配をしてしまいます。
そこで、学校再開に向けてこれまでの取組を一歩進めた形でのアプローチを考えています。ここでは、学校再開に向けた主な考え方を示すこととし、詳細については「第2号 学校だより.pdf」をご覧ください。
2 意欲をもって登校できるように
小中学生の不登校要因として「何らかの家庭環境に起因するもの」「学業成績に起因するもの」が大きな割合を占めることはよく知られていることです。前者は生活リズムの乱れ、家族間の不和等が挙げられます。後者は勉強についていけない、学習に対して自信がない等になります。なぜ最初からこのような極端な例を出したかというと、先に挙げたような要因をつぶしていけば子どもたちは意欲をもって登校しやすくなるとも言えるからです。
まず、家庭での生活リズムを整えるために、子どもたち自身が「日課表」を作成して、それに従って自律的な生活を送るように指導助言を行いたいと考えています。国語や算数等のいわゆる座学のみならず体育や音楽等も日課表に組み入れて自学自習を行う習慣を身につける機会になればと考えています。
一方、学習に対しての自信を高めるために、この休校期間にいわゆる「予習」を進めてもらおうと考えています。教科ごとに1時間ごとの学習課題を提示しますので、子どもたちは教科書やその他資料を参考にしてノートにまとめていくといったスタイルを主なものとしています。学校再開後の授業は、休校期間に各自取り組んだ学習の「復習」を行うということになります。こうすることで、休校期間に自学自習に取り組んだ成果を授業で発揮できるばかりか学習の定着度も高まり意欲をもって授業に取り組めるものと期待しています。
3 「うつさない」「うつらない」ように
新型コロナウイルスはいわば「見えざる敵」ですので、これをやれば完全にブロックできるというものはありません。しかし、考えうる限りの対策を講じることで、子どもたちはもとより保護者の皆様にとっても安心できる環境を整えていきたいと考えています。
(1)「うつさない」ために
これまで感染予防のために取り組んできたことに関しては学校再開後も積極的に継続します。子どもたちのみならず職員や来校者全員にもマスク着用を徹底します。給食も対面にならないように座席の工夫をします。授業での対話活動は空き教室も活用しながら子ども同士の距離を保つ工夫をします。教師が目の前にいなくても子どもたち同士で学習を進めることができるようにする良い機会にしたいと思います。加えて、子どもたちの下校後は、校内の消毒も職員で実施します。
(2)「うつらない」ために
各学級において「うつらない」ための行動はどうあるべきかを考える時間を設けたいと考えています。今こそ、自分の身は自分で守るといった意識を高めるチャンスです。ただし、このことは学校だけで完結できるものではありません。家庭での取組も大事になります。お父さんやお母さんが「うつらない」「うつさない」ための取組を家庭の中で率先して実施していただくことで、子どもたちはそのことを良い手本とするでしょう。
4 おわりに
軽い冗談のつもりで、「学校が休校になったら先生は暇になっていいね」などと言われる方もいます。ところがどっこい、手前みそになりますが、うちの学校の先生たちは、「一人ひとりの子どもたちに私たちは何ができるだろう」と考え、本当によく頑張っています。学年団で話し合って、学習計画を立て、課題をはじめワークシートなどを作成しています。さらに、学校再開に向けて様々なアイディアを出してくれています。保護者の皆様におかれましても何か不安なことや心配なことなどありましたら、ぜひ学級担任に話をしてみてください。「子どもたちの笑顔のために」という思いは同じです。
最後にもう一言だけ・・。先にも述べましたが、学校では考えうる限りの対策を講じていきますし、保護者の皆様においてもしっかりした取組(子どもたちへの助言等も含め)を行っていただいているものと思います。しかし、絶対に安全とは言い切れないし、誰がいつ感染してもおかしくありません。だからこそ、差別や偏見を生まない学校風土を目指していきたいとも思っています。