「なくしてはならない」思いが、私たちにはある(校長室から)
2020年5月20日 16時57分1 はじめに
今回の休校措置により、4月13日(月)以降、約135時間程度の授業時数が失われたことになります。一年の中でこれほどの多くの授業時数がなくなったという経験はかつてないことです。
授業時数が少なくなったことで、「あれができなくなった」「これはやめちゃえばいいや」と言うのは簡単なことかもしれませんが、私たちには決して「なくしてはならない」思いがあります。それは、「向笠小の子どもをこんなふうに育てたい」という強い思いで作り上げた本校の学校教育目標「瞳を輝かせ 最後までやり遂げる子」の具現化を図るということです。
2 学校の存在意義を高めるために
もしも教科書の内容を教え込む(詰め込む)だけの授業に切り替え、異学年交流もやめ、そば作りなど様々な体験活動もやめてしまえば、上述した失われた授業時間はすぐに取り戻せるのかもしれません。しかし、そんなことをしてしまえば、もはや学校ではなくなってしまいます。
学校の存在意義は、子ども同士・子どもと教師・子どもと様々な大人とのふれあいを通して考えを高め合うことや、様々な体験活動を通して人間的な成長を図ることなどにあると考えます。
3 じっくりと取り組める環境づくり
この一年は子どもたちにとってかけがえのないものであり無駄にしてはいけません。そのために、じっくりと対話活動や体験活動等に取り組める環境をもう一度整えることから始めます。具体的には、年度当初に予定していた授業時間数を確保し、年間を見通した行事計画を立て直すということです。
その方策の一つ目として、長期休業期間の短縮が挙げられます。夏休みは約3週間に短縮します(現在、8月5日~25日で検討しています)。冬休みや春休みも少しずつ短くします。二つ目は、土曜日の授業を設定します。既に習い事やスポーツ少年団等の活動が入っている子どももいると思いますが、市教委からの指針に沿って午前中3時間授業で5日程度を考えています。三つ目には必要に応じて日課表の中で授業時間を増やすことも考えています。例えば、これまで5時間授業だった日を6時間目まで行うといったことです。
4 新しい学びのスタイルの構築
休校期間中に、子どもたちが自宅で取り組んだ学びを生かした授業スタイルを構築していくことも考えています。これまで様々な形で子どもたちは予習に取り組んでくれています。自学自習の中で分からなかったことはこれからの授業において学習課題としてみんなで考えればいいし、深く調べたことはみんなに教えてあげられる時間を作っていければと考えています。
子どもたちに「これまでやってきたことは決して無駄ではなかった」と感じてもらえるような授業スタイルを全職員で話し合いながら構築していきます。