校長室から

子どもの自尊心を高めるには(校長の独り言)②

2020年4月27日 16時23分
保護者向けの話

 まず初めに言葉の定義から始めます。自尊心の高さを「他の人からの目をあまり気にせず、自信をもって社会の中でふるまうことができるかどうか」と捉えています。
さらに、家族のあり方を測る因子として、家族に対する評価と凝集性(家族に対する満足度とうまくまとまっている)・家族内ルール(役割がありルールを守る)、家族内コミュニケーション(家族内で自由に話ができ、親密な交流ができる)、家族の柔軟性(家族内の問題に対してお互いに柔軟に対処している)の4つから成り立っています。


 主な研究を始める前に、子どもの自尊心について、性別・家族形態別・出生別の平均値比較を行ってみました。
 その結果、男子群の平均が女子群の平均より高くなったほかは、家族形態別(一人親家庭・核家族・拡大家族)、出生別における大きな差はありませんでした。


 次に子どもの自尊心と家族のあり方との相関を見てみました。上記に示した「家族に対する評価と凝集性」「家族内ルール」「家族内コミュニケーション」「家族の柔軟性」とも子どもの自尊心と相関があることが分かりました。
 ここまでは容易に予想できると思うのですが、ではこの4つの中で子どもの自尊心と最も高い正の相関関係を示したのはどれだと思いますか?

 正解は、「家族の柔軟性」なんです。つまり、子どもがやろうとしていることに対して家族は邪魔していないか(子どもの考えを尊重しているか)、誰かひとりで家族内のことを決定していないか、家族全員で話し合って問題解決しようとしているか、家族内の諸問題に対して家族が敏感に反応しすぎて親が過干渉になったり慌てたりすることはないかといったことが何より小学校6年生の子どもたちの自尊心に影響を及ぼすということが分かったのです。(次に続く)