子どもの自尊心を高めるには(校長の独り言)①
2020年4月27日 16時19分 「子どもの自尊心に家族のあり方はどのように影響を及ぼすのだろうか。さらには子どもの自尊心と親の自尊心とは何らかの関係があるのだろうか。」
今から約20年前、私は大学院に派遣していただき、2年間の研究生活をさせていただく機会に恵まれました。学級担任として保護者から子育てに関する相談を受けることも多い中、自身の経験則の中での考えを述べるしかできなかった当時の私は、いつも申し訳ないなあと思っていたので、この機会に上記のテーマについて研究を深めることとしました。
今回の新型コロナウイルスの影響により休校が続き、親子で過ごす時間もこれまで以上に増えていることと思います。学級担任と保護者や子どもたちとの電話のやり取り等から、子どもたちは比較的落ち着いた生活を過ごしていると感じており、これもひとえに保護者の皆様のご努力の賜物であると感じています。
こういった時だからこそ、私がかつて情熱を注いだ研究も、保護者の皆様に何らかのお役に立てるのではないかと思い、ホームページに概要を掲載することとしました。
この時の研究は、静岡県内の小学6年生とその親788家族の協力(男子422名 女子366名 父親670名 母親720名)をいただき、主に質問紙法(アンケート調査)による分析を中心に行いました。父親の平均年齢43.29歳、母親の平均年齢40.08歳となっています。
なぜ小学校6年生なのか。それは、多くの先行研究において、小学校6年生の自尊心が他学年の子どもに比べ低いことや、小学校3年生で最も高くあとは6年生まで漸次低下すること、さらにはこの傾向は女子において顕著であることなどが多く明らかになっていたからです。(次に続く)