落ち着いた雰囲気の中で(職員会議での校長の話)
2019年11月14日 08時28分 本校の子どもたちは、概して学習や運動に前向きで、自分を伸ばそう、成長したいという気持ちを持っています。私たちは、そういった子どもたちの気持ちに寄り添い、「やりたい」が実現できる環境を整えることが何より必要だと考えています。最低限、落ち着いた雰囲気の中で教育活動を実施できるようにはしたいと考えています。
そこで、この日(11月13日)の職員会議で私は、職員に、学校が「荒れる」とか「落ち着いている」などと表現されるが、落ち着いた雰囲気を維持するためには教師は何から取り組めばよいのだろうと話をしました。
以下は、その話の概要です。
1 学校が「荒れる」とは
これまで一般的にどのような状態を「荒れる」と表現してきたのだろうか。私のこれまでの経験では、下記の順に「荒れ」は広がっていくように思う。
(1) 場が荒れる
ゴミが各所に落ちている、靴やトイレのスリッパがバラバラ、
教室の中が雑然としている(机の並び、床の上に文房具などが多く落ちている、掲示物が剥がれたままに)
(2) ことばが荒れる
「てめえ、このやろう」など文字通り言葉が汚い、場をわきまえた話し方ではない(声の大きさ、敬語の使い方・・)、やたらとひそひそ話をする、人を傷つける言葉や侮辱する言葉が飛び交う
(3) 行動が荒れる
小集団で固まり学級全体に帰属しない、授業等を妨害する、他の児童や教師に対する暴言・暴力、器物破損
2 学校が「落ち着いている」とは
「荒れる」ことの反対が「落ち着いている」状態となる。では、どのようなことに心掛ければ「落ち着いた」状態を継続できるのだろうか。
(1) 場を整える
○ 教師が率先垂範して、ゴミを拾う、靴やトイレのスリッパの整頓を行う、教室内の環境整備(学級掲示なども含む)に努める。
○ 「場が整うと気持ちが落ち着く」という感覚を子どもが味わえるようにする。
(2) 美しい日本語を使う
○ 教師自身が「てめえ、このやろう」など汚い言葉や傷つける言葉を使うのは問題外。
○ 教師の声が大きくなるほど、子どもの声は小さくなり、ひそひそ話をするようになる。大声での叱責はもとより、教師による一斉指導は、笑顔で、冷静に、短時間※で…。
※ 以前にも紹介しましたが、オランダイエナプラン教育の創始者であるペーターセンはイエナプラン校を「沈黙と静寂の学校」と評した。子ども同士、子どもと大人が対話することを重視する一方、言葉の氾濫が学習活動の目的を不明瞭にすることを避けねばならないと話している。
○ 子どもたちの言葉遣いに敏感になる。
(3) 子どものエネルギーを正しい方向に向ける
○ 授業は最初の10分間が勝負。子ども自身が、「何のために」「どのように」学ぶのかをしっかり理解できれば、進んで学びに向かう。
○ 意味のある対話(学び合いを意味づける、位置づける、成り立たせる)を意図的に単元の中に組み込んでいく。