笑顔のカタチ(校長室から)
2020年10月6日 13時31分 最近、子どもたちの笑顔を見て、私もこんな素敵な笑顔が作れているだろうかと不安に思うことがあります。
私は、ヒトが作る笑顔には、2種類の笑顔があると思っています。1つは、相手の心まで温かくしてくれるような「明るい笑顔」、もう一つは相手を蔑んだりバカにしたりして笑う「暗い笑い」です。先に素敵な笑顔と評した子どもたちの笑顔は、言うまでもなく前者の「明るい笑顔」です。
相手を蔑む心の裏には、自己肯定感の低さが隠れています。自分自身が努力し達成感や充実感を得られれば自己肯定感は高まっていくものです。しかし、自身にそのエネルギーがなく、「どうせやっても成功するはずがない・・」と思う人の心は、自己防衛反応として相手を蔑み低く見ようと思い込むことで、自己肯定感を何とか保とうとします。
本会の中で、今年度8月に向陽学府の小学校6年生81名と中学校3年生52名に実施したアンケート調査の結果が発表されました。本調査は、「自分にはよいところがある」など5項目に対して「ある」「どちらかといえばある」「どちらかといえばない」「ない」の4件法で答えさせるものです。私が注目したことは、「自分にはよいところがある」「お家の人はあなたのよいところを認めてくれていると思う」の「ある」「どちらかといえばある」の合計値です。「自分にはよいところがある」は小学校6年生の肯定値が87.6%であり、これでも十分に高いと思うのだが、中学校3年生の肯定値は88.4%と、わずかながら上昇しているのです。「お家の人はあなたのよいところを認めてくれていると思う」についても同様の傾向が見られ、小学校6年生の肯定値は95.1%であり、中学校3年生になるとなんと98.1%と上昇するのです。こういった項目については、年齢が高くなるにつれ、肯定値は低下する傾向になるのが一般的であると思われるのですが、向陽学府においては年齢が高くなると肯定値も高くなっているのです。
年齢が高くなると、周りから要求されることや期待されることも高くなり、そのたびに自分自身に対して「なんでうまくできないんだろう」「こんなこともできない自分はだめだなあ」と思うことも増えるでしょう。加えて親の期待も高まる中で「どうしてあんたはそんなこともできないの!」なんてついつい言ってしまうものです。でも、本学府の家庭の多くは、子どもの良さを認める温かさがあり、そのために子ども自身も自己肯定感を高く保つことができているのだろうと推察します。
学校においても、子どもたちが「やりたい」と思うことに積極的に挑戦させる中で、自身の良さを一つでも多く感じられるような日常を送れるように工夫していきます。