学校と家庭の素敵な関係(校長室から)
2020年7月16日 12時36分 私は、若い頃から参観会とか懇談会とかあると何だかウキウキワクワクしちゃうし、家庭訪問などはいろんなお宅で話がはずんじゃって後ろのお宅に迷惑をかけたことも一度や二度ではありません(本当は良くありませんが・・)。
保護者と教師が笑顔で気軽に話せる関係を築けると、そのことが子どもにとっては最も安心する環境になることを私は経験の中で知っていたからです。さらに言えば、家庭の中で、親が先生のことをよく言ってくれているのは、学級で子どもを見ていても分かるものです。(逆に言えば、どんなに子どものことを思っていても、保護者との関係を崩すと、子どもに悪影響を及ぼすことも経験の中で知っています)
極端な言い方に聴こえるかもしれませんが、いつしか私は、子どもの成長を植物に例えると分かりやすいなと考えるようになりました。
適度な湿り気をもった土や空気等は植物にとって生きるための土台となるもので、いわば子どもにとっての家庭と同じです。一方で、太陽や適度な気温や湿度、添え木等は植物が芽を出した後、元気に育つために必要なもので、いわば子どもにとっての学校と同じだと思うのです。つまり、どちらか一方だけあれば事足りるものではなく、家庭も学校も子どもにとって大切な役割を果たしているということです。
そういう意味で、学校と家庭は「一人の子どもの可能性を伸ばし、立派に成長させる」という共通の目的のもと、程よい緊張感を保ちながら、連携・協力できるといいなと考えています。
でも、そうは言っても子どもを育てるというのはそう簡単なことではありません。学校においても、「どうやってこの子に話せばわかってくれるのだろう」「どんな指導をすれば理解できるのだろう」と一人の子どもの指導・支援方法に悩み、関係職員で話し合うことはしょっちゅうあります。そんな時、私は「家庭に相談してみようよ」と先生たちに話します。あくまで「お願い」ではなくて「相談」です。学校での表れをお伝えするとともに、家庭では同じような表れはないのか、あるとすればどんな声掛けをしているのかなどを聴きながら、学校と家庭でできることを一緒に探っていければと思っています。
一方で、家庭において子育てに迷ったり困ったりしたときには、気軽に学校に相談をかけてほしいなあと思っています。本校の子どもたちは、概して小さい頃から大人からの愛情を受けて育っていることが伺え、そのため情緒が安定し素直で優しい子どもが多いと感じています。そんなご家庭においても子育てに悩むことはあるのではないかなと思うのです。私も2人の娘を持つ父親として25年間やってきましたが、その間、順調だったなどと言うつもりはありませんし、常に迷いながら親業をやってきました。もし相談していただければ、その内容は学校での指導や支援をする際の参考にもなると思うので、大変助かります。
これからも、学校と家庭は、お互いに気軽に相談しあい、そして「ありがとう」と言い合えるような、いい関係を続けていければと思っています。よろしくお願いします。