職員会議で職員に話したこと(校長室から)
2019年12月18日 18時34分職員会議の冒頭で、校長から全職員に話をしたことの概要をお伝えします。
1 2学期の総括を
3学期はあっという間に過ぎていきます。3月までにどのような子どもの姿を目指すのかを見据えたうえで、現在の成果と課題を明確にしておきましょう。3学期以降は、学年だよりにも学級経営に寄せる学級担任の思いをもっと書くように工夫してみましょう。
2 場を整えることの大切さ(子どもたちがじっくり考え、主体的に活動するために)
(1)来校者が必ず口にする言葉
来校者があると、必ずと言っていいほど、「こういった環境で学べる子どもは幸せですね」と口にされます。これは、自然に恵まれていることの良さを指しているのでしょうが、では、なぜ自然に恵まれていると幸せなのでしょうか。これは、落ち着いた雰囲気の中での教育活動ができるということを指しているのでしょう。このことは、明らかに本校の強みの一つと言えます。したがって、校舎内についても落ち着いた雰囲気を整えることが必要だと考えます。
(2)目指す子どもの姿
子どもたちには、ごみや埃に自分で気づき、自らきれいにするといった姿を望みます。自分の足元にゴミが落ちていても気づきもしないのはやはり寂しいです。さらに、机や自分の荷物を整理しようとする姿も望みます。「自分の荷物だからどのように置こうが自分の勝手」ではいけない。他の人が見たときに、やはりいい気持ちはしませんから。
(3)教師も環境の一つ
教師自身も環境の一つであるとよく言われます。心掛けてほしいこととして、学級掲示をすっきりと、歩みや担任の思いが分かるものにしてほしいということです。さらには、居ずまい(服装・言動)を整えるとともに、子どもの育ちを待ち、余分な教師の指示などは控えるようにしたいものです。
3最近の教育に関する記事から
最近の新聞記事の一部を紹介します。これらのことからも、日本の教育は子ども主体の探究学習を重視する方向に向かっていると言えます。だからこそ、新学習指導要領においても、探究を進めるための計画を自ら立て、学習途上での軌道修正を行い、最後までやり遂げようとする、いわゆる「学びに向かう力」をつけるように求めています。保護者からの学校評価アンケートにおいても、授業のあり方について多くの意見をいただいています。今後、さらなる授業改善が必要だろうと考えています。
(1)市民団体による校則調査(浜松) 12.12
市民団体は、息苦しく軍隊のようなルールと評し、市教委担当者は「守れというだけでなく、きちんと理由も説明していきたい」と説明しています。教師は「やりなさい」と指示するだけでなく、誰にもわかるような丁寧な説明を行えることが必要だということです。
(2)PISA調査 「自分の考えを根拠を示して説明」課題
天声人語(朝日新聞)12.4に、PISA担当者の言葉として、「細かな知識はネットで得られる。知識よりも知恵を出して事態を突破する力が求められる。」という言葉がありました。まさに今後の授業改善を行う上での一つの指標になるでしょう。
(3)「教育」から「伴走」へ(12.5中日新聞夕刊 紙つぶて:今村久美)
次の言葉が非常に印象的でした。これからの学校教育においても、全く同じことが当てはまると思います。
○大人が子どもに正解を教え育てる「教育」から子どもの気づきを大人が支え育む「伴走」に切り替えるとき。
○「やってみたい」という意欲を育み、「やってみた」経験を学びに変える支援こそ大人の役割ではないだろうか。
○育みたいのは、問いを立て、学び続けられる自律した学習者だ。
(4)中教審初等中等教育分科会論点整理(10.16 静岡新聞朝刊)から
下の言葉が印象的でした。集団で学ぶことの意味や意義を再確認し、授業改善を進めていく必要があると強く感じました。
○論点の一つとして、「義務教育段階では児童生徒同士、児童生徒と教師が顔を合わせ学級でともに学ぶ意義を再確認する」の文言があった。
○分科会会長代理の弁として、「技術によって目指している公正で個別最適化された学びが実現すれば、今の学校の常識が通用しなくなる可能性がある。(中略)同じ学年の子どもが同質集団を形成している今の学校は成り立たなくなるかもしれない」との文言が紹介されていた。