学校保健委員会を開催しました
2020年10月29日 18時29分 本日、令和2年度の学校保健委員会を開催しました。御出席いただいたPTA役員の皆様ありがとうございました。
養護教諭と体育主任より、今年度の健康診断結果・保健室利用状況・保健の取り組みについての報告、運動の取り組みについての報告をさせていただきました。
講話では、「メディアと心身の健康」と題して、スクールカウンセラーの長谷川眞子先生に、メディアの利用方法や利用時間の課題解決に向けて、以下の取り組みについてお話していただきました。
1 課題解決に向けて
(1)家族全体で取り組みたいこと
①規則正しい生活
生活リズムを整えて、脳を活性化して健康を守る。早く寝かせればきちんと起きることができる。朝ごはんをしっかり食べて、エネルギーを補給することも大切。生活リズムが安定すると、心も安定する。
②ネット・ゲームを急に遮断することは避ける
子どもにとって、今楽しみにしていることを取りあげることになるため、家族の話し合いで少しずつ調整する。
③会話を増やす
ネットやゲームの好きなところ、楽しいところを聞いてみる。気持ちを理解しようとする。親もゲームの内容を知っていると、会話のきっかけにもなる。夢中になる理由を知る。
④家事を頼む
本人の生活面での達成感や自己肯定感を上げる。生活力をつけていくためにも、男女ともに必要。お手伝いをポイント制にして、ポイントがたまったら、子どもにとって良いことがある(何か買ってあげるのではなく)というふうにしている家庭もある。
⑤本人と話し合ってルールづくりをする。
利用時間が長いようなら、少しずつ減らしていく。本人の意見を主体にルールを考える。「利用時間を30分減らす」など。無理なく達成できるルールにする。
⑥家族全員でオフラインにする時間を決める
家族みんなでがんばっている、という気持ちになる。子どもだけではなく、みんな平等に。毎日ノーメディアタイムを設けるのも良い。
⑦家族で楽しむ時間を生み出す
ノーメディアタイムに、家族でトランプやボードゲーム、散歩、運動をする。家族で楽しむことは、なんでも話せる雰囲気につながる。
(2)本人が取り組みたいこと
①メディアの利用時間を確認する
1日の生活の流れを記入して、ネットやゲームの利用時間を自分で把握する。
②利用時間を見直す
利用時間の上限を決める(1日〇時間から〇時間に減らす!など具体的に)。
2 人の身体は自分の脳にコントロールされている
快感を得るとやめられない→依存性につながる。ゲーム・ネットだけでなく、薬物、ギャンブル、買い物、甘い食べ物なども。心ではダメだと思っていても、脳が快感を覚えてしまっている。
3 ゲーム依存症(ゲーム障害)
脳のバランスが崩れてしまっている→感情のコントロールが難しくなる。
WHO(世界保健機関)では、2019年5月に「ゲーム障害」を新たな依存症として認定している。
4 今後の人生を左右するかもしれないもの
〇ストレス耐性を高める
いかなる困難があろうとも、自分で向かっていく力、良い方向に自分で努力する力が求められる。何かを選択した結果、うまくいかないこともあるが、子どもが自分で判断することで、失敗から学んでいく。選択肢を用意してあげるのも良い。なんでも親が決めてしまうと、失敗しても親のせい…になってしまう。自分で決めたことをほめる、認めてあげる。
〇自己肯定感を自分で高められる力
困難に向かうとき、自死を選ぶかもう一度やり直そうと思えるか、自分の有用感を感じて生きていけるように、親や教員など、周りの大人が育ててほしい。「アサーション」という考え方(相手もOK、自分もOK)。親は子どもよりも強い立場にあるが、子どもも一人の人間。一つでも良いところをほめてあげる。「生きていてくれてありがとう」という気持ちで生活する。
事前に保護者の方からいただいた質問への回答については、ほけんだより11月号に掲載する予定です。メディアの利用方法について、改めてお子さんと話をしていただけたらと思います。