校長室から

1人でいても逃げられる子どもに(第1回避難訓練にて)

2020年6月2日 12時16分
子どもたちへのお話

 今年度、初めての避難訓練を行いました。今日(6月2日)は、地震が発生した時にどこを通ってどこに逃げればよいのかを子どもたち1人1人がしっかりと認識することが目的です。訓練の終わりに全校放送で話した内容を掲載します。

 地震はいつやってくるのか、そんなことは誰にも分かりません。休み時間にトイレに行っている時に突然やってくるかもしれません。もしもトイレで1人きりの時に地震が来たら、みんなはどうしますか?先生や友達がいる教室まで戻りますか?

 2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災が起こりました。この時は、地震の後に大きな津波が起こったため、大変多くの人が犠牲になりました。子どもも先生もほとんど流されてしまった学校がありました。一方で、ほぼ全員が助かった学校もありました。この違いは何だと思いますか?

 
 答えは簡単です。逃げたかどうかの違いです。助からなかった学校では先生も子どものどこに逃げていいか分からずじっと運動場にとどまっていました。一方で助かった学校では各自逃げられるところまで逃げたのです。だから、先程の私の問いに「教室まで戻る」と答えた子は間違いだということです。トイレのスリッパのままでいいから運動場まで一気に走るというのが正解です。東日本大震災で助かった地域の言い伝えで『いのちてんでんこ』というものがあります。「津波が来たら、家族がてんでバラバラでもとにかく逃げろ」という教訓だそうです。

 
 ぜひ、今日の訓練で確認してほしかったのは、地震が起きたらどこを通ってどうやって逃げるかということなのです。そして、もしも1人きりのときに地震が起きてもどんどん逃げることができる子になってほしいと願っています。

家にいるときに地震が起きたらどこを通ってどこに逃げるのかも知っておく必要があります。だから、「地震が起きたらどうするか」を家族でよく話し合っておくことが大切です。

 さらに高学年の子にはもう一つ願いがあります。それは、「守られる側ではなく、守る側になってほしい」ということです。自分より弱い立場にある幼稚園や低学年の子、高齢者を連れて逃げることができる人になってほしいということです。

 
 では、この後、今日の避難訓練を通して感じたことなどをもとに学級で話し合ってみましょう。以上で、私の話を終わります。