研修

修学旅行にかける思いを出し合う(6年)

2021年1月27日 18時23分
6年

 新型コロナウイルス感染症対策の一環により休校措置を講じた後、5月初旬には教育課程の見直しを図りました。その際に、今後も感染症の拡大は必至で、当初計画していた10月の修学旅行実施は厳しく、できるだけ日程を後ろに持っていった方が状況は沈静化しているのではとの予測をたて3月実施としてきました。

 その間、当初予定していた東京方面は断念し、学級内で県外1箇所(石川方面)、県内1箇所(下田方面)の候補地を立てた後、12月には感染状況を鑑み、石川方面の旅行を断念し、下田市への旅行に絞ることとしたところです。1月末には本当に下田方面に旅行に行くのかどうかの最終判断をしなければならず、その前にもう一度子どもたちの思いも確かめておきたいとの思いから、この日(1月27日)の6年生は話し合い活動を実施しました。

 学級担任は、子どもたち全員の本音をしっかり聴きたいとの思いから、予めワークシートを作成し、それに自分の思いを書かせたのちに話し合い活動に移りました。
 まず、修学旅行への思いを聴いてみたところ、「修学旅行という行事を通して、学級のまとまりや絆を強くしたい」「中学校に行ってもともに行動できる仲間づくりを進めたい」との思いが大半を占め、何らかの形で旅行を実施したいという思いが強いことが改めて分かりました。


 しかしながら、宿泊を伴う旅行にすべきか否かについては意見が分かれてきました。机の向きも討論会のような形式にしてじっくりと話し合いが始まりました。宿泊という体験をしたい、向笠小のみんなだけで泊まれるのは今回限りであるなどの理由から「みんなで宿泊したい」との意見がある一方、感染症へのリスクや宿泊する必要性などの観点から「宿泊したくない」との思いもでてきました。さらに、「宿泊について意見が分かれたら、みんなはどうするの?」とつっこんで聴くと、「宿泊希望の子だけ泊まればいい」という子や「みんな宿泊をしない」といった子もいました。



 学級担任は、話し合いを始める前は1時間だけ使おうと決めていたようですが、いざ始まってみると、子どもたちの話し合いは白熱し、「途中で終わるのは嫌です。もう1時間、話し合いの時間をください。」と言い出すほどでした。

どの子も一生懸命考えて絞り出すように発言していたし、その思いはどれが正しくてどれが間違っているなどと言えるものではありません。どれも納得するものばかりでした。

 さらに話し合いを通じて素晴らしいなあと感じたのは、他の子の意見を批判しようとする子が一人もいなかったことです。これだけ自分の思いが強いと、ついつい自分とは違う意見を排除したくなるものですが、お互いの考えを尊重し、真摯に聴き合おうとしていました。私たち学校側も、子どもたちや保護者の思いも十分に受け止めながら、一定の方向性を出していこうと思っています。