研修

「伝えるべきか、伝えないべきか・・・」道徳科の授業(4年)

2020年10月7日 14時31分

 この日(10月7日)の4時間目に、校内研修の一環として4年生の授業研究(道徳科)が行われました。主題名「きまりの大切さ」、資料は「時計係」です。
 バスケットボールの試合で時計係をしていた義男。試合終了間際に訪れた大逆転のチャンス。バスケットボールはあまり上手ではないけれど、練習に真剣に取り組んでいた幼なじみの文也が放ったシュートが見事に決まります。しかしその直後、義男が時計に目をやると、試合終了から10秒ほど時間が過ぎていたことに気が付きます。うれしそうな文也の姿を見つめながら、そのことを先生に知らせようかどうかためらう場面でこの話は終わります。

『自分が義男だったらどうするだろうか?』という課題に対し、子どもたちは「迷う!」「う~ん…」「絶対先生に伝える!」等、様々な反応。自分の考えが決まったら、感情を見える化するために、その思いに近い黒板のエリアにネームプレートを貼るのですが、迷いなく貼る子、その場で悩みながら貼る子など様々です。その後、同じ場所に貼った数名が集まり、思いを語り合い考えを共有します。「こういうときは、うそをついていいんだ。」「本当のことを言ったら気まずくなる。」「伝えなかったら心残りになってしまう。」それぞれのグループにおいて、活発な意見交換が見られました。


 次は一斉の場において全員が考えを発表します。それをじっくり聞き、友達の考えと自分の考えを比べながら、うなずいたりつぶやいたりする子が大勢いました。人により考え方や感じ方が違うことに気づいたり、自分の考えが変わるきっかけになったりと、学びが深まった様子が随所に見られました。


 最後に、葛藤する子どもたちに対して教師は『義男さんはどんな立場だったの?』と発問をしました。ここでも子どもたちのたくさんのつぶやきやリアクションが・・・。まさに、自分事として真剣に学んでいたからこその表れです。今一度「時計係」であった義男の立場になって考えてみることで、きまりを守ることの大切さとともに、場合によってそれを実行することが難しいときもあるということを、多くの子が感じ取ることができた授業となりました。