校長室から

修学旅行説明会にてお話したことついて(校長室から)

2021年1月29日 10時18分
保護者向けの話

1 はじめに
 この日を迎えるにあたって、修学旅行に関係するすべての方々の思いをできるだけ聴いておきたいと思い、PTA本部役員会(1月22日実施)を経て、6年生保護者全員に意向調査を実施しました。保護者の皆様は、正直な親の思いを丁寧に綴っていただいており、子を思う親の気持ちが痛いほどに分かりました。さらに、6年生児童からも再度考えを聴くことができました。これまでも候補地選びの段階から熱心に取り組んできたのを間近に見てきましたし、昨日(1月27日)も2時間にわたる話し合いの中で本音を出し合うとともに、お互いを尊重する姿勢も見られ成長を感じました。
2 方面選定における経緯
 新型コロナウイルス感染症対策の一環により休校措置を講じた後、5月初旬には教育課程の見直しを図りました。その際に、感染症の拡大は必至で、10月の実施は厳しく、できるだけ日程を後ろに持っていった方が状況は沈静化しているのではとの予測を立て3月実施としたところです。
 その間、当初予定していた東京方面は断念し、学級内で県外1箇所(石川方面)、県内1箇所(下田方面)の候補地を立てました。昨年内に1箇所に絞るよう迫られたため、感染状況を鑑み、県内候補地に絞ることとしました。
 下田市内のホテルをキャンセルするのは1月末を期限としたいとの旅行業者の進言もあり、現状を鑑みたところ、警戒レベル5(特別警戒)であることに加え「感染拡大緊急警報」も発令されている中での下田方面への旅行は、感染リスクが高いとの判断の元、キャンセルしたいと考えました。
3 子どもたちの思いについて
 修学旅行という行事を通して、学級のまとまりや絆を強くしたい、中学校に行ってもともに行動できる仲間づくりを進めたいとの思いが大半を占めており、「何らかの形で旅行を実施したい」という思いは全員共通の思いであることが分かりました。しかしながら、宿泊を伴う旅行にすべきか否かについては意見が分かれるところでした。宿泊という体験をしたい、向笠小のみんなだけで泊まれるのは今回限りであるなどの理由から「みんなで宿泊したい」との意見がある一方、感染症へのリスクや宿泊する必要性などの観点から「宿泊したくない」との思いもありました。
4 保護者の意向について
 旅行の実施可否については、全員が「何らかの形で実施させたい」との意見でした。「子どもが楽しみにしている」「思い出づくりの場を」「子どもの思いを尊重したい」というのが主な理由です。
 一方で宿泊可否については、やはり意見が分かれました。感染リスクがあるなどの理由から、明確に「宿泊させたくない」との意見を持つ方もいれば、宿泊させてあげたいが不安も抱いているという方もいました。
5 修学旅行実施における方向性
 上記のことをふまえ、校内でも慎重な協議を重ね、総合的に判断した結果、以下の通りとします。
 (1) 旅行自体に否定的な意見は、子ども・保護者ともに見られませんでした。つきましては、①学級全体での特別な思い出を作る機会 ②小グループで協力して何かをやり遂げる機会 という2つの目的を達成できるような旅行を実施します。
 (2) 宿泊については感染リスクを懸念する意見が子ども・保護者ともに一定数いるに加え、「子どもの思いは尊重したいが感染リスクを考えると不安がある」と迷いを示す保護者は相当数にのぼります。さらに「学校行事」としての全体の統一性を考えると、「宿泊は個人の自由」とするのは全員の納得解は得られないとの判断から、今回は泊を伴わない旅行に限定したいと考えました。
 (3) 旅行の場所についても、感染リスクを考慮すると、自然散策などを中心としたものにし、そうなると雨天を考慮して予備日も設定しておくことも検討します。