校長室から

今後の授業改善の進むべき方向は・・(職員向けの話)

2019年6月4日 11時25分
教師向けの話

 明日(6月5日)、本校では、5年担任教諭による研究授業が実施されます。研究授業とは、あくまで当該教諭の授業の是非を問うものでなく、本授業を通して本校研修テーマ「わかった!できた!と実感できる授業づくり~学びを深めるための対話をめざして」にせまる目指す授業像を共通理解することが目的となります。 そこで、明日の研究授業を前に、今後の授業改善の進むべき方向を再確認しておくために全職員に話した内容を掲載します。

1 なぜ「どのように学ぶか」を規定するのか
 来年度、本格実施される新学習指導要領において、「主体的・対話的で深い学び」といった学び方についての規定がなされた。この理由として総説の中に「人工知能(AI)の飛躍的な進化」を挙げ、人工知能がどれだけ進化し思考できるようになったとしても、その思考の目的を与えたり、目的のよさ・正しさ・美しさを判断したりできるのは人間の最も大きな強みであると述べている。
 つまり、我々が行う授業は、子どもたちが大人になり、社会で活躍する20~30年後の世の中を想定して行う必要があるというわけだ。「子どもたちの将来就くことになる職業のあり方が、技術革新の影響により大きく変化する」「現在の小中学生の65%は将来、今存在していない職業に就く」「今後、10~20年程度で、半数の仕事が自動化される」「2045年には人工知能が人類を超える」などと言われる中で、知識を獲得するだけの受身の授業ではダメだということになる。

2 受動的な学びから能動的な学びへ
 前述のとおり、今後、学校で行う授業は、受身になって「習う・教わる」勉強から、主体性を持って自ら積極的に「研究する・調べる・調査する」という能動的な学びに変わっていかなければならない。
 そのために、まず子どもたちを指示待ちにさせてはいけない。常に「なぜ?」という疑問を持てる子どもに育てなければならない。そうでなければ、チコちゃんに「ぼーっと生きてんじゃねえよ!」と叱られてしまう(笑)。
※「授業という営みは、何かを教え込むためのものでなく、常に問いを掘り起こし創り出していく過程である(三枝孝弘)」
 次に、これまでの知識(既習事項)を総動員すれば解けるのか、若しくはそれだけでは解けないなら、何を(新たな知)をどのように学べばよいのかを子ども自身で見つけなければならない。
 さらに、人との対話、先人(各種資料)との対話により、「なるほど」と思える体験をさせたい。単なる「話し合い」活動からは「なるほど」は生まれない。真剣に「聴き合う」姿勢が必要になってくる。

3 おわりに
 中教審答申が出された頃、私はひそかに「こんなことは既に小学校の現場では取り組んできた。子ども同士の活発な意見交換も奨励してきたし・・・」と思っていた。しかし、今後の授業改善に求められるのは、もう一歩高みに・・ということではないかと考えるようになってきた。
 子どもにとって魅力ある学校をつくるためには、「自主・自治・貢献」の風土がある学級経営を基盤とした「わくわく」する授業は必須ではないかと考える。
 「今の授業で変えることは何もない」と自分の授業に満足してしまうと、その先の成長は望めない。いつになっても、どの年齢になろうとも理想像を追い求めながら、悩み、もがくことしかできないのだろうと思う。だからこそ、切磋琢磨しあえる職員集団でありたいと考える。