考えの変容が見られる授業(6年 道徳)
2020年9月15日 12時58分 写真をSNS等に投稿することは、「表現の自由」という観点から何でも許されることなのだろうか、投稿する側の責任として何かやっておくことはあるのだろうか…この日(9月15日)の6年生の道徳では、このようなことをテーマにみんなで話し合いました。
みんなで撮った写真をSNSに載せたら、みんな喜んでくれるだろうなと軽い気持ちで投稿した主人公。多くの友達は「良かったよ」「サンキュー」と返事をくれたのに、ある子からは「ひどい」「見られたくない」「SNSから削除してほしい」との声をもらう…というお話を読んで、感想から話し合います。
「自分の髪型が気に入らないから消してくれなんて勝手だ!」「こんなことでいちいち文句を言う方がおかしい」などの考えもある一方で、「友達だけじゃなく、一般の人にまで公開されるのが嫌なんじゃないかな。グループラインで友達だけで見るならよかったかもしれない」など、様々な視点で意見が交わされます。
ある程度の感想が出されたところで、「では、写真を投稿する前にどんなことを考えなければいけなかったのかな。」と担任から子どもたちに投げかけました。子どもたちは、小グループで話し合った後、学級全体で丸い隊形をつくり、全員で話し合います。「文句を言う子だけ、モザイクをかければいい」「怒って文句を言うほどのことではない」という意見もありながら、少しずつ「やっぱり嫌な気分にさせる前に、事前確認が必要だったんじゃないかな。」という考えに傾いていきます。最後には、「軽い気持ちで投稿してしまったことから、危険な目に合わせてしまうこともあるよ。」と発言する子もいて、時間を経るごとに学級全体の考えが深まっていきます。
子どもたちの話し合いは、一方向だけでなく、様々な視点から意見が出されたため、徐々に自由の裏にある個々の「責任」にまでたどりついていました。学級の中に、何でも気兼ねなく言い合える雰囲気ができているからこそ成立する授業だったと感じます。