1 本校の強みを生かした学校経営を。 令和3年度、本校が持ちうる「強み」をいかすことが、子どもたちが育つ環境整備につながると信じて実践してきた。これらの実践は、子どもたちの活動状況や保護者評価などからも、本校が進むべき方向性は正しかったと考えている。ついては、令和4年度は以下に示す「本校の強み」をさらにいかし切るための方策を検討することとした。
① 本校児童の強みを伸ばす 概して、子どもたちは「やってみたい」「挑戦したい」というまっすぐな思いをもって教育活動に取り組む。さらに「やろう」と決めたことは力を抜かず、ひたむきにやるべきことに向き合うことができる。こういった子どもたちの良さを伸長すべく、子どもたちの「やりたい 」という気持ちを引き出し、その「やりたい」を実現させるための方法も子どもたち自身で考えるような子ども主体の教育活動を展開 していきたい。
② 小規模を強みにした学校経営 本校の児童数は、今後も140名から150名程度を推移すると思われ、市内でも小規模校の部類に含まれる。この小規模であるという環境は、いろいろな学年の子と仲良くなる機会がほかの学校に比べて多いことから、このことを本校の持つ強みととらえ、学校経営を展開していきたい。様々な異学年交流の機会 を通して、低学年は高学年をロールモデルとしてあこがれを抱きながら成長し、高学年は低学年から認められ自己肯定感を高めるとともに、思いやりを学ぶ機会にしたい。
具体的には、異学年の子ども同士が一緒に遊ぶだけでなく、低学年の子どもが自然に高学年の子どもに相談する姿を期待したい。
③ 地域とのつながりがとても強いことを強みに どの学年でも地域の作物を育てて、それを加工して食べるという「地産地消」の活動を推進している。こうした食農学習は向笠ならではの特色ある活動である。さらに、向笠小の学区は広く、土砂災害警戒区域に指定されている箇所や交通安全上の課題を抱える箇所もある。しかし、地域の見守りボランティアの方々が積極的に活動してくれているという強みもある。一方、小中一貫教育の取組の中で、児童生徒の地域への関心度合は、小学校から中学校にかけて低下傾向にあることも指摘されている。ついては、子どもたちがさらに地域を意識し、地域の方々にお世話されるばかりでなく自分たちで地域のためにできることはないかを考え、地域のために貢献しようとする意識を育てたい。
向笠の地には、新豊院山古墳墓群をはじめとする歴史を感じさせる様々な遺跡、桶ヶ谷沼や鶴ヶ池をはじめとする様々な自然、米やそばをはじめとする様々な農作物、何より本校には先達が整備したビオトープなど、他には類を見ない優れた教育素材が多く存在している。そこで、子どもたち自身がふるさとである向笠の地を愛する心が持てるよう、向笠の自然や地理的条件を生かした教育活動を意図的に創造していく。
2 喫緊の教育課題に対応できる学校経営を。 新学習指導要領の本格実施となった令和2年度は、知識の習得のみならず活用を図るべく授業改善を図ってきた。さらに、外国語科・活動の授業時間数の増、プログラミング教育や道徳の教科化、評価方法が変わることなど様々な課題への対応を迫られた。これらについては、令和4年度も引き続き重要課題として取り組む必要がある。
加えて、令和3年度には、GIGAスクール構想の一環として一人一台タブレットが導入された。新学習指導要領には、学習の基盤となる資質能力として「言語能力」「問題発見・解決能力」に並んで「情報活用能力」が挙げられている。タブレット端末を活用し個別最適化を視野に入れたさらなる授業改善の方策を検討する必要も出てくる。
ついては、子どもも教師も一つのことにじっくりと取り組める環境づくりを進める必要があり、柔軟な発想で積極的に「やめる・へらす・かえる」工夫・取組を推進していきたい。